ネパール人ウソつかない
「これ、ヤクの骨でできているよ」
カトマンズのお土産屋さんの青年は言った。いくらだったか忘れたけど、バラマキ土産にできる程度には安かったと思う。
「ヤクの骨なわけがない。ヤクは保護されている動物なんだ。バッファローの骨だろう」
シェルパ族のガイドのナワン君が言うと、青年は悪びれることなくあっさり認めた。ネパールではよくあることだ。
「パシュミナ100%」として売っているストールの値段が店によってバラバラすぎる。たぶん本当に100%の店もあるけれど、それはほんの一部で、ほとんどの店のものは100%ではない。景品表示法みたいな法律はないのかなと不思議に思う。
しかし、彼らには悪気がない。ように見える。悪気がなければいいというわけではないけど。
「あなたは欲しいものを安い値段で買えてハッピーだし、僕は商品を買ってもらえてハッピー。お互いハッピーだからいいでしょ」とでも言わんばかりだ。だから、こちらも怒る気にはなれない。
トレッキング中に「あなた私のトモダチ。だから安くするよ」と言われて買ったターコイズの偽物のブレスレットが、カトマンズで5分の1ぐらいの値段で売っていたときは、さすがにイラッとしたが。
日本を含む先進国と言われる国で、虚偽の表示や説明をしたら、たちまち法律違反で捕まるだろう。そうやってきっちりすることで、より正しい方向には向かっているのかもしれない。でも、それで私たちはネパールの人たちより幸せになってるのかな。
ネパールのことを思うとき、幸せとは何かについて、考えてしまう。
※日にちが経ちすぎて記憶が曖昧になり、日記的に書くことが難しくなってしまったので(笑)、断片的な記憶を頼りに、思いついたときに思いついたことをツラツラと書いてみることにします。