別れと終わり


タイトルの通り、今回は少しネガティブな感情を記事にしてます。それでも大丈夫な方に読んで頂きたいです。

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今まで自分の身の回りで、沢山の別れを経験してきた。学校や習い事を卒業したりもそうだし、実家を出たのも別れの一種だと思う。全部が寂しいだったりとか、悲しい気持ちになった。でも、そーゆーのは時間が経てば気持ちが薄れていった。性格的な部分もあると思うし、連絡先とかで繋がってるから、別れが寂しくなるほど親しかった人には、会おうと思えばまた会えるというのも大きかったのかなとも思う。

自分にとって、受け入れられない別れは、「自分とは関係ないけど、自分が好きなもの」との別れだ。

一番最初にこの気持ちを抱いたのは、高校生の頃、大好きだったアーティストの方が亡くなった。その時の気持ちは今でもハッキリと思い出す。遠いどこかで、自分の中の一部になってた人が居なくなってしまう感覚。勿論どうすることも出来なくて、だからこそ処理出来ない気持ちになった。

その後も、好きな俳優さんが亡くなったり、好きな作品が終わったり、最近では好きな配信者さんが活動を終了したりといった時に、同じ気持ちになる。

沢山別れを経験する内に、なんで身近な人との別れより、関係ない人との別れの方が辛い気持ちになるんだろうと考えるようになった。

まず前提として、好きという気持ちの大きさがあると思う。自分は、趣味に全力な性格だし、リアルの人間関係よりも趣味事情を優先しがちな人間だ。対象に対する好き度が違えば、その分悲しみの大きさも違ってくることはあると思う。

ただ、自分がこんなに趣味に全力になりだしたのは、高校を卒業してからだ。それまでの自分は、リアルの生活が最優先事項で、何よりも友達と遊ぶことが楽しかったし、周りの人が大好きだった。
また、学生時代は恋愛もしていて、失恋したこともある。誰かに対する好きという気持ちは、その時も大きかったはずなのに、自分はその失恋を受け止めている。

身近な別れと、そうでない別れの違いをもっと明確にしたいと思って考えついたのが、タイトルにもある「終わり」という価値観なのかなと思う。

身近な別れは、「終わり」にはならない。自分が生き続ける限り、身近な人たちとの関係性は確認し続けられる。失恋した時も、相手の方とはその後良き友人になる事が出来た。

でも、自分と関係がない人と別れる時は、明確な「終わり」があると思う。もう自分は、大好きなアーティストの方の曲を生で聞くことは出来ないし、大好きな俳優さんが映画に出演するのも観ることが出来ない。大好きな作品が更新されることもなければ、大好きな配信者さんの活動を応援することも出来なくなる。

自分という人生から、大好きなものが乖離していく感覚。
自分は生きている以上、時間において前に進んでいく。身近な人も勿論前に進むだろうし、その人達との思い出も自分と一緒に前に進んでいける、その歩みを実感できる。
でも、自分と関係がない以上、そういったものとの別れは、自分という人生の歩みから見て後ろに置いていかれてしまう。どんどんと距離が離れてしまう。
この事実が受け入れられないのかなと思った。

だからこそ、身近な人でも死別というのは特別な意味を持つと思う。死はそれこそ1つの「終わり」の形であって、生きている人との距離は開き続ける。それ故に、人は死に特別な何かを見出す。

ここまで考えて、自分は、自分と距離が開き続けてしまう「終わり」が受け入れられないんだろうなと結論付けた。また、死という事象に関しても、これと同じ価値観を持っていることに気付けた。

それでも、自分がこの「終わり」に対して出来ることはあまりない。「終わり」はいつも突然に、準備が出来ないときに限って訪れるし、「終わり」を感じても何か出来るほど自分には関係性や力がない。だから、せめても思い出を大切にするしかないのかなと思う。終わってしまう誰かや何かから貰った感情、感動、意味を自分の中で決して小さなものにしないようにしたい。その思い出だけとは、死ぬまで一緒に歩いていくことにしようと思った。

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ここまで読んで頂いた方、ありがとうございます。ここ最近、自分の中で大きな存在である方が次々と活動終了を表明され、少し頭の中がぐちゃぐちゃになっていました。そのため、今回の記事は、誰かと何かを共有したいというよりも、自分の中の考えを整理したいと思い、書き出しました。

何かが無くなって悲しいと思う気持ちは当然で、それが身近なリアルのことではなくても、死と同じくらい悲しい気持ちになることある。だから、その気持ちは決して間違いじゃないし、他人が馬鹿にできるはずもない。起きてしまったことは変えられないけど、楽しかった過去を思い出として未来に持っていってあげることは出来る。
これが今回自分が出した結論の中で、皆さんに伝えたいことです。

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