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原始多項式 例題3.14

例題3.14 $${GF(2)}$$上で、$${x^{15} - 1}$$は、$${x^{15} - 1 = (x + 1) (x^2 + x + 1)(x^4 + x^3 + x^2 + x + 1)(x^4 + x + 1)(x^4 + x^3 + 1) }$$と因数分解される。各因数において、原始多項式であるものを求めよ。

解答 因数$${(x^4 + x + 1)}$$は原始多項式であることは本書にあるので、他の因数について確認する。
$${(x + 1)}$$: 根が1なので位数1。$${2^1 -1}$$に等しいから原始多項式。
$${(x^2 + x + 1)}$$: 根$${\alpha}$$とすると、

$$
\alpha^3 = \alpha(\alpha + 1) = \alpha^2 +\alpha = \alpha + 1 +\alpha = 1
$$

なので位数3。$${2^2 -1}$$に等しいから原始多項式。

$${(x^4 + x^3 + x^2 + x + 1)}$$: 例題3.11でやったように既約多項式
$${(x^4 + x^3 + 1)}$$: 根$${\alpha}$$とすると、

$$
\alpha^5 = \alpha(\alpha^3 + 1) = \alpha^4 +\alpha = \alpha^3 + 1 +\alpha \\
\alpha^6 = \alpha^4 + \alpha^2 + \alpha = \alpha^3 + \alpha^2 +\alpha  + 1 \\
\alpha^7 = \alpha^4 + \alpha^3 + \alpha^2 + \alpha = \alpha^2 +\alpha  + 1 \\
\alpha^8 = \alpha^3 + \alpha^2 + \alpha \\
\alpha^9 = \alpha^4 + \alpha^3 + \alpha^2 =  \alpha^2 + 1 \\
\alpha^{10} = \alpha^3 + \alpha \\
\alpha^{11} = \alpha^3 + \alpha^2 + 1  \\
\alpha^{12} = \alpha^4 + \alpha^3 + \alpha  = \alpha + 1 \\
\alpha^{13} = \alpha^2 + \alpha  \\
\alpha^{14} = \alpha^3 + \alpha^2 \\
\alpha^{15} = \alpha^4 + \alpha^3 = 1  \\
$$

したがって位数15で、$${2^4-1}$$に等しいから原始多項式。


$${x^{15}-1}$$のすべての根はこのGF(2)上の因数分解で得られる方程式すべてのすべての根に等しい。
「これらの解のなかで、位数15の解を$${\alpha}$$とすると、すべての解は$${\alpha^k(k=0,1,2,\cdots,14)}$$で表される。」とのこと。良く分からなかったので考えてみる。

これまでは、ある多項式のGF(2)上にはない根$${\alpha}$$を想定していろいろ議論してたが、それがある種の別の多項式においてもべきをとれば根になっているという話。

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