既約多項式 例題3.2-3.6

例題で学ぶ符号理論入門の勉強メモ

例題3.2 多項式$${f(x)= 2 x^3 + x^2 + x - 1}$$は、$${\boldsymbol{Q}}$$上で既約であるかどうかを調べよ。既約でなければ、$${\boldsymbol{Q}}$$上の多項式の積に因数分解せよ。

解答 $${f(1/2) = 0}$$であるから$${x-1/2}$$で割ることができるため既約ではない。
$${f(x)=(2x-1)(x^2 + x + 1)}$$となる。$${(x^2 + x + 1)}$$は$${boldsymbol{Q}}$$上に根を持たないのでこれ以上因数分解できない。

例題3.2の亜種 多項式$${f(x)= x^2 + x + 1}$$は、GF(2)上で既約であるかどうかを調べよ。既約でなければ、GF(2)上の多項式の積に因数分解せよ。

解答 $${f(0) = 1, f(1) = 1}$$より、2次多項式でGF(2)上に根がないので(本書例題3.1より)既約。

例題3.3 多項式$${f(x)= x^3 + x + 1}$$は、GF(2)上で既約であるかどうかを調べよ。既約でなければ、GF(2)上の多項式の積に因数分解せよ。

解答 $${f(0) = 1, f(1) = 1}$$より、3次多項式でGF(2)上に根がないので(本書例題3.1より)既約。

同様に、1があるときは係数1が偶数個だとGF(2)上には根がないので、3次多項式までなら既約。例えば$${x^3+x^2+1 }$$も既約。

例題3.4 GF(2)上の既約多項式$${x^2+x+1}$$の根を$${\alpha}$$とする。この時

$$
G = \lbrace 0, 1, \alpha, \alpha ^2 \rbrace
$$

について加算表と乗算表。

解答 $${\alpha ^2 + \alpha + 1 = 0}$$だから。

$$
\alpha + 1=\alpha^2 \\
\alpha + \alpha =2\alpha  = 0 \\
\alpha + \alpha^2 =\alpha + \alpha + 1 = 1 \\
\alpha * \alpha^2  = \alpha (\alpha + 1)=\alpha ^2 + \alpha = 1 \\
\alpha^2 * \alpha^2  = \alpha * 1=\alpha
$$

表は書きにくいので省略。演算から集合$${G}$$は加法と乗法について閉じていることが分かる。

例題3.6 GF(2)上の既約多項式$${x^3+x+1}$$の根を$${\alpha}$$とする。この時

$$
G = \lbrace 0, 1, \alpha, \alpha ^2,\alpha^3, \alpha ^4,\alpha ^5, \alpha ^6 \rbrace
$$

について加算表と乗算表。

解答 $${\alpha ^3 + \alpha + 1 = 0}$$

$$
\alpha^7 = (\alpha + 1)(\alpha + 1)\alpha
=  (\alpha^2 + 1)\alpha 
= \alpha^3 + \alpha 
= 1\\
$$

加算

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