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深センに行った話。前半。

先週の話ですが、深センに行ってきました。

日本でも中国でもお風呂の仕事をしていますが、特に中国の南方地方は気候が温暖で温浴文化が浸透しているとは言い難く
お風呂の仕事でのご縁は、北方の寒い地域に比べて少ない傾向でした。

今回はお風呂の仕事、それからちょっとした依頼のあった工場見学に赴くことになりました。

中国語学習者も覚えておきたい中国地理。|株式会社JNG 江内谷(エナイダニ)

中国まるごと百科事典様より引用。
地図で見るとかなりの南方。

深センの印象。

元々、私が初めて訪れる前に深セン市へ抱いていた印象は
・香港、マカオなどと近い南方エリアの大都市。
・電子部品やIT関連企業に強い。
・テンセント。
・上海に比べると大したことない(いろんな意味で)
っていうイメージを勝手に抱いていました。(ド素人な見解)

ウィキペディアで調べてみると、
面積は大阪府と同じくらいで、経済特区に指定されていること。
・これは実は知らなかったのですが、深セン市は広東省に属していること。
・ファーウェイ(华为)、テンセント(腾讯)だけではなく、自動車のBYDや半導体のZET(中兴通讯)なども本社を構えること。

都市の経済規模感を具体的に示すのは難しいですが、直轄市と呼ばれるのは、北京、天津、上海、重慶となります。

深セン市は副省級市と定められており、これを元に考えると大連、青島、寧波と同等の位置づけと認識されます。
私も重慶や武漢、成都や瀋陽、南京、青島などなど、様々な都市に訪れたことがありまして、
深センも同じような感じかなー?って思っていましたが、これらの都市より明らかに頭一つ抜けている印象でした。


実際の深センのイメージ。

配車アプリと待合室のQRコードをスキャン
その後、表示されたタクシーのナンバーを入力。

実際に深セン市に足を踏み入れると、空港の設備やデカさなどからおおよそその規模感は推察ができます。

まず驚いたのは、やはりハイテクな深セン市
未だにタクシー待ちでは、上海や北京でも大行列があったりしますが、
深セン市の飛行場ではアプリの配車サービスに連動させて、いくつかのエリアにスマートに配車がされるようにされていました。

私のような機械音痴でも通常使うアプリを使ってそのまま配車がなされ、我先にという行列もなければ、
タクシー自体も並ばずに受注ができると言っていました。

テクノロジーの街、深セン市というのも正しい印象なのかもしれません。

先ほどの画面で入力をすると、○○番で待て、と指示があります。
歩いて数分で待合場所に到着。
タクシー側も手配する側もWin-Winな効率のよいサービス。

そして、驚いたのはウィキペディアにもあるように、意外と広いこと。

広いというのはただただ面積が広いという意味ではなく、
たとえば、先ほど述べたような直轄市となっている重慶市や、省都である南京だとか西安だとか、その市自体の面積はさておき、
きらびやかな繁華街、いわゆる中心地のエリアはそこまで広くない印象です。

具体的に言うと、重慶市の○○区はショッピングモールがたくさんあり、飲食街もたくさんあって遊び場が多い繁華街、△△区や△△区は住宅地のベットタウンで、◇◇区は完全な観光地。
と、こんな感じでエリアごとの役割が分かれていることが多い印象です。

ですが、深セン市はいくつかのエリアが分かれていても、エリアそれぞれに繁華街なり住宅街、オフィス街が混在しています。

これは上海市や北京市などとも共通で、ゆっくりと開発が進んでいる都市と比べ、一気に都市の全体で開発が進んだので、
気付いたらごっちゃ混ぜになっちゃった!という状況にも見えます。

まあ、これは完全に私の個人的感覚ですが。

上海は日本人も多く、私も上海に定住していることから、中国は上海中心に回っておる!とか、勘違いしてしまっていますが、
いやはやさすが4大都市の一つである深セン市も負けず劣らずの超一級都市です。


市外出身者が多く集まる深セン。

それから現地のお客さんとの会話の中で、深センはいろいろな街から人々が集まっているんですよ、と説明を受けました。

上海市はそもそもの上海出身者が6割近いと言われています。
上海市外出身者も多く定住していますが、その多くは近郊の安徽省、江蘇省出身者が2割程度と圧倒的に多く、
浙江省や湖北省(武漢)や河南省、四川省出身者が続きます。

この比率は北京でも同様だと言われています。

一方で深セン市の場合、深セン出身者の常駐戸籍比率は40%程度と半数を割るようです。
定住者の60%近くが深セン市外出身者であると言われています。
(一応中国統計部門のデータをちらっと見た情報ですが、信ぴょう性はない 笑)

たまたまかもしれませんが、私の古くからの知り合いの東北人も数年前に深センに移動して商売を始めるーなんて連絡がありました。

いずれにしても、市街地から多く人が集まり、経済発展を実現しているという方針は間違いではなさそうです。
それに加え、外地出身者を受け入れる体制が地元の方にも備わっているということもあるかもしれません。

それは、街がとても清潔だなと感じたことです。
食事についても広東料理ばかりという訳ではなく、火鍋や串焼き、焼き鳥(烤串)など多種多様な路面店が軒を連ねていました。
電動バイクの違法暴走は中国全土相変わらずではありますが。


深セン市の日本人。

それから、触れなければならないのは、やはり昨年起きた日本人児童の殺害事件です。

事件については残念としか言いようがありません。

私自身も詳細は分かりませんが、既に被疑者は捕まっており、その後騒動になっている様子は、今のところなさそうです。

ここでは、これ以上このニュースについてコメントをすることは避けますが。
では、深セン市の治安が悪いかというと、私自身そうは感じませんでした。

むしろ温暖な気候のように落ち着いた雰囲気しか私には感じられませんでした。

特別日本人街に訪れた訳ではありませんが、日本人に触れ合う機会はありませんでした。
日本人駐在者は3,000人程度と上海の10分の1弱くらいのようで、決して多くはありません。

それにしても、今回名古屋から深センに直行便で訪れましたが、飛行時間は5時間
いつもの上海直行便が2時間半程度なので、およそ2倍のフライトとなりました。

中国、というより東南アジアに出張するような長い道のりになりました。
この点も日本人と結びつきにくい点なのかもしれません。

しかし、中国はIT関連企業がかなり強力です。
日本企業も、深セン市のテクノロジーに関しては学ぶべき点もありそうです。

次回の後半戦では訪れた工場見学について、深センのテクノロジーについて書いていこうと思います。


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