中国お風呂あるある。
来年に期限を迎える私の中国ビザ。
個人的な話ですが、そろそろ隔離を覚悟に中国への訪問も脳裏によぎる頃です。
中国は最近どうなの?
という問いかけは、私にとっては日常茶飯事に行われる質問です。
以前であれば自分にまつわる話をしていれば会話が成立するのですが、今はコロナ禍でとても予想がつきません。
正直混乱した状態が2,3年続いているという印象です。
さて、タイトルにあるように、中国お風呂あるあるについて。
Twitterなどでもつぶやいていますが、意外と興味を持っていただいているのでご紹介をしたいと思います。
1,お風呂場、浴場で煙草を吸う人がいる?
これ、よくインターネットで検索すると出てきます。
特に一昔前ではこれにカルチャーショックを受ける方もいらっしゃったようです。
中国では一般的に公衆浴場だとかスーパー銭湯だとか、分類が不明瞭で、日本のように浴場法によって公衆浴場、一般公衆浴場などに分類されることもありません。
あえて言うなれば、料金などによって澡堂、洗浴中心、浴场といった具合に言葉のニュアンスで理解するくらいでしょうか。
例えば一般的に「澡堂」と呼ばれるお風呂屋さんは、何となく小汚い、薄暗い、日本人からすれば怪しい雰囲気がしますが、いわゆる町の銭湯です。
私も何度か足を踏み入れたことがありますが、配管がむき出しの簡易的なシャワー、大きな浴槽が一つ、横には衛生面で心配になるようなアカスリベッド。
普通の日本人が決して足を踏み入れるような場所ではありませんが、比較的お年寄りの方や肉体労働系の若い男性もよく出入りされている印象です。
子供のころに行ったことがあるよ、なんて話はごく普通の中国人からも聞けるところです。
入場料は10元とか20元(150円~300円相当)でしょうか。
正直このパフォーマンスでは、この価格でもかなり高いと思わされてしまいます。
このような澡堂では、今でも浴槽の框(かまち)に灰皿が常設されていることが多いです。
当然喫煙が可能です。
もともとこの澡堂は日本の銭湯と一緒で、家庭にお風呂(中国ではシャワー)がない家庭向けに、その衛生維持が主目的でもあり、今では一般家庭にシャワーが常設されていることが当たり前です。
昔ながらの常連客さんが連れ立って来たり、付帯施設(仮眠やマージャン、トランプルーム)に行くことが目的であることがほとんどで、こうした澡堂に一般的な中国人を含めて、お風呂に入る目的で訪れることはほとんどないでしょう。
これより少しランクの高い50元前後(700円~800円相当)の浴场では浴場内禁煙であることが当たり前になっています。
それでも昔の名残と言うべきか、喫煙シーンは稀に目撃しますが。
それでも例えば上海の極楽湯であったり100元(1500円相当)を超えてくるような温浴施設の浴場内で喫煙シーンを目撃するようなことは、さすがにあり得ません。
2,性的サービスを伴うお店が多い。
これもよく言われることですが、なかなかのタブーなので、これについて語られることは少ないようなので敢えて踏み込んでお話をします。
※気分を害される場合は閲覧をしないようお願いします。
中国では売春を含め、性的サービスなどいわゆる日本の風俗施設のようなものは法律で禁止されています。
建前上では厳しく禁止されていますが、その抜け穴として指摘されるのが温浴施設内でのこうした違法行為。
過去には、それを黙認されていたような時代がありました。
もう10年近く前の話ですが、当時の中国人の従業員Aさんに、「私たちは温浴業界に勤務するのだから、お風呂を多く体験しなさい」と伝え、一緒にお風呂に入りに行ったことがあります。
その際に彼の奥さんから電話がありました。
どこにいるのか、と聞かれたAさんは「今、上司と面談しているから折り返す」と答えていました。
お風呂に行っているって堂々と言えばいいのに、と伝えたら、お風呂屋さん=ダーティな場所だと思われているので誤解されたら困る、と返されてしまったことがります。
ただし、これも少し前の話で、特に近年ではお風呂屋さんだけではなく「扫黑」と呼ばれる違法行為への締め付けを厳しくする政策が強く打ち出されました。
「扫黑」は直訳すると、いわゆるブラックな業種、行為を掃除しようという意味で、幅広くとらえることができます。
今まで黙認されていたような性風俗の取り締まり、収賄や腐敗など、要は反社会的行為を取り除こうとする運動であり法的強化です。
これはかなり厳しく展開されていて、今まで見かけていたようなブラックな業種がかなり追い込まれました。
反社会的行為は闇社会への裏金にも繋がっていると想像されるように、多くの一般人に支持されている政策でもあります。
こうした経緯もあり、お風呂屋さん=性風俗といったイメージは、それこそ高価格帯の温浴施設の登場も手伝って、今ではほとんどありません。
違法行為というリスクを冒して、温浴施設内でこうした古い運営方法を展開しているとすれば、これも先述のような低価格帯のお風呂屋さんでしょう。
10元や30元(150円~450円相当)の客単価で温浴施設を運営するとなると、規模感にもよりますが相当な集客力がなければ経営は厳しいでしょう。
そういう側面からリスクを冒したプラスアルファを見込んだ手法は、違法行為であれば褒められることでは決してありませんが、そういうベクトルに向いてしまうことも自然と言えば自然なことかもしれません。
一方で浴場内での喫煙と同じく、100元(1,500円相当)を超えるような比較的高価格路線で展開する温浴施設内では性的サービスはもちろん、違法行為は当然ご法度です。
厳しく制限をしているのが当たり前で、以前のようなイメージはかなり少なくなっています。
3、刺青でも温浴施設へ入場ができる。
日本では様々な議論がありますが、基本的には刺青がある方の温浴施設への入店を禁じていることがほとんどです。
私には刺青はありませんが、それでもこうした習慣について考えることはありますが、それはさておき。
これは個人的にかなり意外なのですが、中国ではタトゥーや刺青を入れている人が多いです。
特に80年代以降の方で顕著ですが、体感的に、、1割程度はいるのではないでしょうか。
宗教だとか、地域差もあるかもしれませんが、上海の街中の普通の温浴施設に刺青の方の入浴者がいるのは珍しいことではありません。
いまだにそうした光景に私自身も慣れることはなく、ギョッとしてしまうことも少なくありません。
日本では歴史的に刺青=反社会的なイメージが付きまとうのは致し方ないかもしれません。
中国の温浴施設で、首の下から足首まで至るところまで全身刺青、という人を見かけたことがありますが、さすがにこればっかりは他の中国人の方も驚いていました。
おしゃれの一環で刺青を入れることは、比較的年配者からすれば思うところがあるかもしれませんが、中国では刺青やタトゥーがあるからといって、何か反社会的なイメージが必ずあるかといえばそうでもありません。
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