中国最大のマーケット義烏市。
中国ビジネスを展開する者であれば、誰もがその名は聞いたことがあるものの、なかなか足を踏み入れる機会がないのが、この義烏市であります。
上海市から300㎞、同じ浙江省省都である杭州市から150㎞、近隣の主要都市である嘉興、台州、寧波などからも200㎞以上の距離があります。
南は山々に囲まれた立地ということもあり、ふらっとどこかに寄ったついでに、、という原理も成立しないような、まさに陸の孤島のような場所です。
まあ、これは私の中国での拠点が上海市ということも理由としては大きいのですが、それでもどこから訪れるにも日帰りではやや難しい場所です。
今回近辺で少し所用があったこともあり、思い切って行ってきました。
本日はその模様の一部をレビューしていきます。
以前の購買代行、工場見学のブログはこちら↓
中国製品を輸入してみませんか?|株式会社JNG 江内谷(エナイダニ) (note.com)
中国製品を輸入してみませんか? ~其の弐~|株式会社JNG 江内谷(エナイダニ) (note.com)
中国製品を輸入してみませんか? ~実践編~|株式会社JNG 江内谷(エナイダニ) (note.com)
義烏市のマーケットについて
なぜ、この義烏市が有名なのか。
世界の工場と言われた2000年初頭の中国、その製品のマーケット、卸売市場として名を馳せたのが、この義烏市にある国際商貿城(通称、福田市場)なのです。
世界中のサンタクロースの90%以上がこの義烏市から出荷されている、と都市伝説的に聞いたことがありますが、一区から五区まで広がるこのマーケットの面積は東京ドーム85個分とも言われます。
7万を超える卸売業者が所狭しと店舗を構えるまさに圧巻の施設なのです。
この福田市場だけでなく、義烏市には中国小商品城、賓王場といった小物や家具を集めた単独のマーケットも存在しています。
ところがこの数年、コロナ禍によってバイヤーが来られない状況や、ネットショッピングの台頭で、勢いに影を落としている様子も見聞きします。
実際に今回は1日がかりでターゲットを絞って徘徊してみましたが、シャッターが閉まったままの店舗もちらほら。
とはいえ、外国人バイヤーと、あちらこちらで遭遇しました。
想像していたアジア人がメインなのかと思っていましたが、東南アジア、中近東、欧州やアフリカ系と、バイヤーの人種もかなり豊富。
また近隣も国際色豊かな飲食店やバーなどが立ち並ぶのが印象的でした。
今回この義烏市を訪れたのも、いくつかの製品の購買ご依頼をいただいたからです。
ご依頼先様からも了承を得たので、具体的な製品名を挙げると、その一つが浴場で使用するシャワーヘッドです。
その他にもいくつかのご依頼を基に足を運んだのですが、学んだことがいくつかありましたので、それを記していこうと思います。
1.一見客やノーアポ客はスルー。
上記のように以前と比べて活気が落ち着いてしまっていることもあってか、そもそも店舗が空いていない可能性があります。
また、店舗内でもネットショッピングの顧客対応をしているケースが多く、ノーアポで訪れても面倒くさそうに対応されることが少なくないと感じました。
ふらーっと店内に入り込んでも挨拶さえされないケースが散見されました。
事前のアポイントを取ったり、事前交渉などを踏まえることによって、相手方に「こいつは売上になるな」と思わせることも重要かもしれません。
これは中国で商売するには必須手段ではありますが。
2.広すぎるため、事前調査は必須。
先述の通り一区から五区までに分かれていますが、それでもそれらを全て歩いて通過するだけでも半日は経ってしまいます。
体力によほど余裕があったり、時間に余裕があったりする場合を除き、ターゲット商品が、どの場所にあるのかは少なくとも調査しておいた方がいいでしょう。
また、いくつかの市場がありますが、それぞれに歩いて移動することも少し難しいのが難点です。
前項と重複してしまいますが、計画性のなさに比例して、無駄な時間を費やしてしまいます。
それぞれのマーケットは10時頃から17時頃までの時間帯で訪れる必要がありそうです。
私の感覚では午後3時前後が最もマーケットが活発化するイメージでした。
3.基本的に対応は一辺倒。
いくつかのターゲットに対して、具体的な商談もしてきました。
その商談はかなり特徴的でした。
まず、サンプル出荷、しません。
メールや電話連絡が入ると商談が中断します。
特注品やこちらの要望を伝えると、露骨に嫌がります。
そもそも、アポイントの時間に店舗に担当者がいません。
これらは店舗型からオンライン型に移行し始めている商売形態もあっての部分もありますが、(一見客であるからか)基本的に柔軟な顧客対応も望めません。
また独自で工場を持っていて、店舗販売を並行して行っているような場合は、多少の臨機応変な対応が望めますが、ほとんどは仕入れを伴う単独店であるようでした。
なので、あくまで取扱製品をいくつ、いくらで出荷するのか、というのが、販売窓口である彼らの主要業務です。
したがって、前回広州市で訪れた工場のように別注品や特注品対応は難しい(面倒くさい)のでしょう。
4.価格は安いがロットが多い。
最も困難だったのが、そのロット数の調整です。
今回のターゲットの一つ、シャワーヘッドを例にします。
彼らは基本的に1箱を単位とし、5箱以上が1ロットという考え方がベースでした。
もちろん交渉によってはロットに折り合いをつけることは可能だと思いますが、その肝心な1箱に120本程度のシャワーヘッドを入れ込む、というのです。
即ち、シャワーヘッドであれば600個が購買の最小単位になります。
私が聞いた限りでは、混載もNGでした。
確かにシャワーヘッドは日用品雑貨とはいえ、600個の需要に辿り着くのはなかなか大変です。
一方で、価格は、というと、ドン・キホーテも驚きの価格だったのですが、今回これに関しては公開の許可を得られませんでした。
当初私たちが想像していたシャワーヘッドの10分の1程度、、いや、それを遥かに下回るほどの驚愕の単価であったことだけはお伝えしておきます。
ロットはともかく、とにかく価格だけは、4度聞きしてしまうくらいの超絶廉価でした。
しかし、先述の通り、こちらの要望に合わせて展示品以外で、こちらの要望に近しい製品を案内してくれるようなこともありません。
ましてやロゴだったり、貿易、輸出そのものを協力してくれることもありません。
何でもいいから安いものをとにかく買ってきてくれ、というご依頼であれば、値段の安さもあり即決できそうですが、
特色もないただのシャワーヘッドでは、こちらとしても決断することはできません。
結果としてはなかなかもどかしい結論にはなってしまいましたが、それでも該当製品を多売できるような営業下地があれば、
この価格的な魅力は相当な強みになるのも間違いありません。
ただし、気になるのはこれらの製品の品質です。
以前にブログで書いたように、実際に中国製品のクオリティは確かに上がっているのは間違いありません。
ですが、一方でこのような薄利多売の製品ですから、少しばかり品質に懸念が残ることも指摘できます。
また、600個のうち1つ2つが破損していたり不具合があったとしても保証の対象にはなりにくいようにも感じます。
あくまでも価格相応の製品、という認識がないと少しばかり不安も残るかなあというのが、正直な感想でもあります。
中国製品の購買代行、輸入。
最後はちゃっかり企業宣伝で、締めさせていただきます。
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