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2022年9月中国の現状はどうなのか。~其の壱~

今日も中国ネタで更新していこうと思います。
2020年からコロナウィルスの影響で今後の見通しが立てにくい中国、中国経済についてです。

インターネットで様々な憶測、詳細なデータを用いた経済構造の分析が行われている中で、私なりに個人的な感覚がメインになりますが、徒然なるままに書いていこうと思います。
今回はコロナ禍前と後に分けて更新していきます。

2020年まで、中国経済は絶好調でした。
正直に言って中国政府が発表する指標は懐疑的な部分もあり、もちろん業種によって淘汰されたりはありますが、全体的に好調であったことは明白で、停滞している日本経済と比較すればその差に愕然とするほどでした。

その中国経済の成長を大きく支えたものに2つの業界があります。

中国経済を支える二つの業界。

1つは【不動産業界】。
中国に住んでいると不動産のチラシ、勧誘を受ける機会があまりにも多いことに気が付くと思います。
業界に従事する労働者が多いことは、それだけその業界が盛り上がっていることの証左でもあります。

国家の経済発展には順序があります。
株価が上がり、その次に不動産価値が上がり、最後に給与所得が上がる。
これがいわゆる【バブル】です。

中国では、2010年前後に株価が上がり、一般人も自由に株式投資をすることができるようになりました。
その後2010年代には不動産バブルに突入しています。
私の周囲でも不動産の話題は欠かせないものになっていて、業界外の私も知識を蓄えざるを得ないほどでした。

これは余談ですが、ビジネスの席でも不動産所有の有無が話題になることはもちろん、中国には公積金と呼ばれる住宅積立金という社会保障制度があります。
細かいことは割愛しますが、住宅価格が高騰しすぎる中で半強制的に住宅購入資金を積み立てさせられるという制度です。
理解しにくい制度ですがそれだけ住宅価格の高騰が顕著であったことが分かると思います。

もう一つは【IT産業】です。
これは中国が世界に誇れる産業でもあり、IT産業の発展で中国は世界トップの経済力までにのし上がったと言っても過言ではありません。

現在の中国での生活は、ほぼキャッシュレス、あらゆる場所で自動化、が行われています。
生来こうしたコンピューターに疎い私ですが、これらを使いこなせなければ中国で生活をするのが難しく、徐々に慣れていかざるを得ませんでした。

日本を代表する産業は自動車産業ですが、中国ではIT産業がそれと言っていいでしょう。
中国の急速な経済発展を警戒したアメリカが真っ先に矛先を向けたのがファーウェイ(華為)であり、このIT産業への対抗策であったころからも明らかです。

二本柱の一本が崩壊?

さて、こうした中国の2大産業ですが、実はコロナ禍より前から不動産業界には懐疑的な視線が向けられていました。

というのも、例えば上海市の住宅(マンション)販売価格が1m2あたり5万元(75万円相当)以上、市街地ともなれば10万元/m2(150万円相当)を超えるような価格で販売されているのです。
単純計算でファミリータイプの80m2程度が、日本円で1億円をゆうに超えるような価格帯です。

東京だって1億円を超えるマンションはあるぞ、などと思うなかれ。
これは上海市内における一般的な不動産価格であり、上海「市」といっても実際には都道府県と同じような大きさで、上海市の郊外でも同様の価格帯なのです。
上海市でマイホームを購入するのであれば、この出鱈目のような価値を持つ不動産を買わなければいけないことになります。
中国でも日本でも一般人が驚くような資金を持つ方がいますが、いくらGDPで世界トップの中国とはいえ、一人当たりの平均値では、まだまだ日本に及びません。

このような現状で、1億円を超えるような不動産を購入しようにも、何十年のローンを組まなければならないでしょうか。
日本のように35年のローンでは元本を返すのだけでも、共稼ぎで収入の全てを注ぎ込むような計算になり、通常ではどう考えても不可能なのです。

これは賃貸でも同様で、地方都市でも傾向はほとんど同じで、給与所得の上昇とバランスがとれていませんでした。
止まらない地価上昇でその価値観は崩壊しており、需要と供給のバランスも崩れ始めていました。

また、少々蓄えのある、中間富裕層などが投資目的で不動産を購入する動きも目立ちました。
この不動産価格高騰は経済発展の象徴でもある反面、経済格差の象徴でもあったと言えるのです。

不動産景気の崩壊とコロナ禍。

中国を支えた一大産業に懐疑的な見方をされていたタイミングで訪れたのがコロナ禍です。
不動産業の危機ついては日本のメディアでも大きく取り上げられていたので、皆様の知るところかもしれませんが、それ以前に崩壊の危機は既に存在していました。

ただ、ここまで崩壊、崩壊と書いてきましたが、価値がゼロになったり、1/10になったり、という訳ではありません。
中国政府、中国経済としては、この二本柱である不動産業界を潰すわけにはいきません。

コロナ禍で中国経済は停滞していることは明らかですが、それも以前に比べて、のこと。
不動産についても全く価値がなくなるということでもなく、中国のバブル経済が完全に止まったかと言えば、、、ここからはまた次回書いていこうと思います。

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