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ドリルと穴
要件定義をしていると、ドリルと穴の話がよくなされる。顧客がドリルを買いに来た時、そのままドリルを売るのではなく、穴をあけてあげることが重要だ、みたいな話だ。僕はこの話を聞くたびに、そんなことを言ったら、なぜ穴を開けたいのかという話になるではないかと思う。穴をあける理由が、壁にカレンダーを固定するための穴を開けたいことだとすると、壁にカレンダーを固定してあげることがゴールになる。なぜ壁にカレンダーを固定したいかと聞いて、今月のスケジュールを把握したいからだとすると、今月のスケジュールを可視化することがゴールになる。なぜ今月のスケジュールを可視化したいのかと聞いて、計画通りに物事を進めたいからだとすると、計画通りに物事を進められるようにすることがゴールになる。なぜ計画通りに物事を進めたいのかと聞いて、計画通りに物事を進めることで、自己満足できることだとすると、自己満足できるようにすることがゴールになる。
こんな風に、突き詰めようと思えばいくらでも突き詰められる。最後には、幸福とか自由とか正義といった、抽象的な目標に行きつくのではないかという気がする。まぁ別にそれはいいのだけど、どこで止めるのが正解かが、出題者のさじ加減で決まるのだが、少々ずるい気がするなぁとおもうこの頃でした。