子育てと競馬を両立することの意外な恩恵
日曜日の15時45分はその1日の緊張感がピークに達する。その2分後に訪れる歓喜か絶望かの分かれ道だ。
この15時45分には、外出先であろうがどこであろうが、何をしていようが、物事を一時中断し、競馬の中継に専念する。
ましてや、大事なお金がなくなってしまうわけだから、結婚をして家族を持つ身になったら、こんな身勝手なことはない、と一見思われる。
しかし、ここには、万馬券を当てる以上に大きな恩恵がある。
この15時45分の強烈な緊張感は記憶の奥底に深く刻まれる。何年経っても、2017年5月29日はどこで何をしていたか、と日曜日の出来事を瞬時に思い出せるのである。
往年の競馬ファンに2008年、ウォッカが勝った天皇賞の時は何をしていたかと聞くと、瞬時にその時の思い出が饒舌に語られる。なんていうのは競馬ファンあるあるだ。
15時45分の一時の投げ出しと、幾らかのお金の損(これが儲かれば尚さら良い)が、日曜日の夕方を起点とした子育ての記憶装置となる。
こんな意外な恩恵もある。