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おしゃれな人

・巷でおしゃれと評されている人は、
そのファッションセンスを身につける過程で、
たくさん失敗を繰り返してきたにちがいない。
決死のおもいで買った高価な服も
やっぱりちがうと、いちどしか着ず、
築き上げてきた屍の山はかずしれず。

幾多の転機、環境の変化、ときにはお金がなく、
洋服を買ってるばあいじゃない時期も
あったかもしれない。
それでも、洋服から興味がさめることなく
洋服を買いつづけては失敗をくりかえしてきた。
そうして、みにつけたファッションセンスは
小手先のものではないのだ。
洋服はとにかくお金がかかる。
情報をあつめるのにもたくさん時間をつかう。
そして、おしゃれに正解はない。
言い換えれば、その旅に終わりはないのである。

人はだれしもが、人生のどこかの節目で
おしゃれに興味を持つ瞬間がある。
しかし、長い人生はいろんな転機があり、
おしゃれどころじゃなくなっていく。
お金を持った人がおしゃれに興味をもったときの
初心を古い記憶から思い出したかのように
その財力で高額な洋服を買い集めたところで、
ファッションセンスは一朝一夜で、
突然にみにつくものではない。
いつ何時も洋服が好きなことをずっとやめずに
オシャレをつづけてきた人との時間と経験の差が
そこにはある。

おしゃれな人は、そんなこれまでの苦労や努力を
おくびにもださず、涼しい顔をして、
明日もまたおしゃれをするのだ。

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