#8. 移動日(トレイルヘッドへのアクセス)
さて、渡米して2日目はいよいよトレイルヘッドへアクセスするための移動日である。
あらためてざっくり説明すると、移動日〜ハイキングDAY1はこのような予定だった。
🎈San FranciscoからMercedまで
眠い目をこすりながらまだ暗いサンフランシスコの街を歩き、バスの停留所となる555ミッションSt.パブリック・オープン・スペースにたどり着いた。マックで購入した朝食を食べながらバスを待っていたが、まだ8月後半なのに半ズボン姿は寒かった。同じハイキング目的のドイツ人カップルと話していると、少し遅れてバスが到着。
バスに乗りこむと、橋を渡ってあっという間にEmeryvilleに到着した。電車への乗り換え経路がどうなっているのかWebで調べてもよくわからなかったが、何のことはない。バスを降りたらすぐ目の前がホームになっていた。さらに立派な待合室があり、サンドイッチやスナック、コーヒーやその他飲料などを販売していた。そこでしばらく待ち、やってきた電車に乗り込んだ。待合室の時計が大きくズレていたのが印象的だった笑
車窓からは、どこまでも続く地平線やコーン畑、Summer of 84に出てきそうな高い建物が無い街並み、落書きされた壁など、思い描いていたアメリカの顔が見られ、一方で打ち捨てられた車や廃墟など、映画では見れないアメリカの裏側みたいな風景も見ることができた。
お菓子を食べたり眠ったりしていると、次の乗り換え駅であるMercedに到着。ここでの乗り換えも簡単で、駅を出て右手がバス停になっていた。どの駅もこうわかりやすいのだろうか。
🎈YosemiteからMammothまで
バスに乗り込みうつらうつらしていると、いつの間にか窓の外に背の高い木や白い岩肌が広がっていた。Yosemiteに近づいてきたのだ。
バスのチケットはYosemite Valley Lodgeまで購入していたが、ベアキャニスターをレンタルするためWilderness centerに行く必要があり、Google mapで確認してひとつ手前のYosemite Valley Visitor Centerで降車した。Mammoth行きのバスもYosemite Valley Visitor Centerから乗るのでどうやら間違えてLodgeまで購入してしまったらしい。
バスを降りると早速ノースフェイス が出迎えてくれた。これだけでもすごい体験だ。これから起こる出来事にワクワクしていると、あっこさんはズンズンとVisitor Centerへ向かっていった。
レンタルはWilderness Centerだよと電車で話したんだけど。案の定ブロンドの髭おじさんから、レンタルは2軒隣だよと言われて無事Wilderness Centerに到着すると、ちょうどその時ハイカー達がレンジャーからPermit取得時の説明を聞いているところだった。
我々はInyo National Forestで取得したためPermitをプリントアウトして所持するだけでよかったが、Yosemite側からPermitを取ると説明を聞く必要があるのだ。
カウンターにいたレンジャーにベアキャニスターをレンタルしたい旨を伝えると、Permitは持ってる? と聞かれたので誇らしげにプリントアウトしておいたPermitを見せた。その後も何か言われたが、適当にYES、YESと言っていたらあっこさんに怒られてしまった。どうやらメアドを証明できるものがあるかと聞かれていたらしい。Permitを取得した時のメアドを見せて支払いをし、無事ベアキャニスターを手に入れることができた。
あとはバスに乗るだけ、とGoogle mapを頼りにバス停まで歩くも、目的の場所にバス停がない。そもそもバスが入れそうな場所では無いのだ。
その時点でバスの時間まで10分を切っていて、調べても調べても正しい場所は出てこない。ここにきていきなりピンチが訪れた。これを逃すと次は17時代のバスになり、Mammothに到着するのが夜になってしまう。あっこさんは諦めモードで不機嫌な顔をしながら歩いている。
ひとり走って道を聞けそうな人を探すと、さっきハイカーに説明していたレンジャーが向こうから歩いてきた。ここのバス停はどこ?とチケットを見せて聞いてみると、あそこだよーととびきりの笑顔で教えてくれた。30メートルぐらいなので充分間に合いそうだ。急いであっこさんのところまで行き、今度はふたりでバス停まで走った。
バス停でハイカーらしき人に、このバスはMammoth行き?と聞いてみると「Maybe:)」との返答。バスが到着して運転手にも行き先を確認し乗り込んだ。
YosemiteからMammothまではTuolumne Meadowsをグルっと回っていくので、ずうっと"絶景"を見ながらの旅となった。雪が残る見たこともない山の景色や、光り輝く湖、深くえぐれている谷底、どこまでも続く荒野など、もうそれだけで楽しい。しかし、わりと狭い道なのにかなりのスピードでぶっ飛ばしていたのは笑ってしまった。なんだかアメリカらしい。
3時間ほどでDAY1の目的地、Mammothに到着した。Yosemiteではヒヤッとしたが、なんとか辿り着くことができて一安心だ。Mammoth Lake RV Parkまで歩いて受付を済ませテントを張り、シャワーを浴びる。Mammothで虫除けを買いたかったので、夜ご飯を探しがてらショップの方に歩くことにした。
ご飯はフォー屋さんへ。うっかり日本にいる感覚で大盛りを頼んでしまい、いきなりアメリカンサイズの洗礼を受けた。うっかりが多い……。余談だが松ぼっくりもかなり巨大で、人の顔ぐらいのサイズだった。
その後、先にJMTをSOBOで歩いていたきょんちゃんから聞いたディート成分が濃い虫除けをゲットして、テントまで歩いた。(ディート98%)
その日はもう疲れ切っていたので早めに就寝することに。起きたらいよいよハイク開始だ。