ヨーロッパ一人旅 2023 Prologue
去年に続き、貯金して一人で旅に出ることにした。
9月後半から10月の頭のちょうど気候のいい時期。去年も同じ頃にヨーロッパへ出たが、今年は去年の2週間弱よりも一段と長い20日間の旅行だった。
私は一人旅が大好きなので今まで国内は色々と巡った。国内なら割とノープランで行ってしまう。思い立った2日後くらいにはもう家にいないこともあるくらいだった。さすがにヨーロッパは色々考えないといけないので、去年の反省もあり(その時は前月くらいから計画した)3ヶ月前くらいから行程を練った。
円安は進んでいたが、ベトナム航空は意外と安い。ハノイ経由でフランクフルトに降りることにした。去年はフランスとオーストリアに行ったので、今年はドイツとイタリアに行こうという算段。ヨーロッパは日本よりも夜行列車が盛んなので、移動に使うことにした。それ以外の宿泊は基本的にドミトリー。去年はちゃんとホテルをとったが、それほどでもないと思ったのでリーズナブルにいってみた。
フランクフルト→ライプツィヒ→ベルリン→ミュンヘン→ヴェネツィア→フィレンツェ→ローマ→ミラノ→チューリヒ→ベルリン→フランクフルト
というような計画。ミュンヘン行き、ヴェネツィア行き、ベルリン行きを寝台列車、ミラノ行きと最後のフランクフルト行きは夜行のICE(新幹線のような特急)で移動。そのほかは昼間のやICE、Trenitalia、Italoを使った。鉄道好きはやはり陸路で旅をしたい。ゆっくり車窓を眺めながら、あるいは日本ではもう貴重な寝台でゆったりしながら次の街に思いを馳せることとなった。
長いフライトと東南アジア再訪
学部1年の時に楽理科や音環の先生と楽理科の学生でミャンマーへ行った。今はもはや違う都市になってしまったが、当時はとても面白い土地だった。物価が安いのでみんなで良さげなレストランに行ったり、喧騒でしかない交差点の一角の露店で夜な夜なビールを飲んだり、たくさんのパゴダをめぐったり。国鉄の車両がミャンマーで活躍しているのも見ものだった。
今回のヨーロッパ旅はベトナムのハノイ経由。若干トランジットに時間があったので、出国して空港のすぐ近くをぶらぶらした。別にどこに行ったというわけでもないのだが、あの空気をもう一度吸いたいなと出てみたのだった。
隣の国なので同じような気候。着いたのは夜だったが、まだ暑く、むっとした空気はあの時感じた匂いそのもの。背の高いヤシの木が並んでいて、入り口にはたくさんのタクシーが並んでいる。そのすぐ前に立つ運転手たちは目の奥の光が違う。ミャンマーでもあったが、ふらっとこのタクシーに乗ったら一体いくら取られるのだろう。
このあたりを一人で歩くのも安全ではないので少しして空港に戻った。
また行けるような治安になったらミャンマーでお世話になった人たちにまた会いたいなと思いつつ、フランクフルト行きの飛行機に乗った。
向こうではたくさんの演奏会に行くことにしていたので、機内ではその予習をずっとしていた。特にベルリンは学生券の優遇がすごい。Classic card という便利なアプリがあり、13~15ユーロくらいで大体の公演を聴くことができる。
今回観るオペラは6つ。オーケストラの演奏会は4つ。
モーツァルトの魔笛、フィガロは分厚いスコアを買ったので、かさばるがスーツケースに入れた。他の作品のスコアは全てiPadに入れておいた。特にライプツィヒで聴くメンデルスゾーンの交響曲《讃歌》は大規模な作品なので読み込んでおかなければ置いてけぼりにされてしまう。夏休みが始まる頃から全公演の曲目をほぼ勉強し始めたので、長いフライトではそれらを復習しながら頭に叩き込んだ。