大学院修了&新年度のはじまり
今さらながらnoteを投稿。
(すぐ書こうと思っていたのに、忙しくしているうちに日が過ぎてしまった…)
学部から通して6年間。浪人することも留年することもなく見た目は順調だったが、やってきたことは結構変わっていた。音楽学を学ぶ楽理科からソルフェージュを研究するソルフェ科に入ったのは学内で見てみると相当な変わり者らしい(ソルフェ科に来る人は作曲やピアノの出身者がほとんど。でも私は東大から来た人たちに囲まれていた)。
ソルフェ科のこと
このnoteにも何度か書いたかもしれないが、私の主軸はあくまでもピアノ。しかしピアノをひたすら弾くのではなく、学術的なことも音楽の基礎や本質的な部分も今の段階で学びたかったので、6年間を異質な場所で過ごした。
それぞれの科からすれば、ピアノばかり弾いている私は不真面目にも見えただろうし、論文をちゃんと進めているのか心配されたことだって度々あった。それでも器楽専攻なら滅多に関わることのできない先生方とたくさんお話しできて、身に余る情報量の勉強をさせてもらった。特に毎週月曜午後の大学院ゼミ(という名の座談会?お茶会?)は面白かった。学生最大4人の先生最大4人。先生方は作曲出身の方々で、鍵盤奏者としても素晴らしいし、次から次に色々な話が出でくる。
さまざまな話題についてざっくばらんに話し合い、脱線しまくりながら喋っていると気づけば日が暮れている。全ての話題に興味を持つことはもちろんできないが、ただ聞いているだけでも大変興味深かった。
ピアノ科の先生にも毎週レッスンしていただき、修了試験ではモーツァルトのピアノ協奏曲を2台ピアノで演奏した。リダクション(オケの編曲)を自分で書くという地道な作業はオケのスコアを読み込むいい勉強になった。ピアノ・リダクションの研究はこれからも少しずつしていきたい。
最近のこと
就職するでもなく、進学するわけでもなく、とりあえず1年は自分のやりたい事をやりまくることにした。合唱団の人脈が一気に広がっているので、この調子で経験を積んでいきたい。もちろん、今まで勉強してきた主軸のクラシックもさらに本腰を入れて取り組む。伴奏が最近ますます楽しくなってきたので、このタイミングでぐっと色々進めようと思う。
先日は合唱団で楽典講座を開いた。
私が携わる企画は、たいてい飲み会のどこかでふと出てくる案が実現したものばかり。この楽典講座もそう。「合唱団における楽典/ソルフェージュ」というものを考えてみたいと思いつつ、団員さんたちの需要と照合しながら150分のコマでやってみた。
まずは音律を中心に古代から紹介。
楽理科からソルフェ科に行った私だからこそ、両面をバランスよく勉強することのメリットはよく分かっているつもりだ。
音楽理論史という感じで、ピュタゴラス音律に始まり、「ハモリ」がどのように生まれたか、和声論がどんな風に形成されたかなどを話してみた。
だんだんと団員さんたちの姿勢が前かがみになってきて質問も飛び交う。私も喋っていてすごく楽しかったし、ついつい話しすぎて時間がすぐ経ってしまった。
後半戦は楽曲分析をしつつ、実際にその曲を歌ってみる。歌詞のない部分でもこんなに表現ができるのかと皆さん驚いていたし、今まで感覚でやっていたことが理論で裏付けられて新鮮な感覚だったみたい。
このレクチャーは今後もさらに展開できそうだ。
色々な合唱団で知っていてほしいことだし、私もこのような講座をできたら共演者としてより充実した音楽ができると考えている。
さあもう少し考えてみよう💭