【イベント】第25回R&Dイノベーションフォーラム、どんなお話が聞けるの?
前回はR&Dイノベーションフォーラムの歴史についてご紹介しました。今回は第25回R&Dイノベーションフォーラムについて、内容や見どころをお話しします!
ー今年のテーマを「R&D×ソーシャル・イノベーション~社会課題を解決するR&Dマネジメントの潮流~」にした理由はなんでしょうか?
近藤:もともと、R&Dは昔から社会課題を解決するために研究開発をしています。でも、現在ではカーボンニュートラルがクローズアップされたり、SDGsもかなり定着している中で、「頭ではわかっていても具体的な動きとして認識できていない」という課題認識も出てきてるように感じます。
今回のフォーラムで、「R&D部門のこういう部分が、実際に課題解決につながっている」といったところを認識してほしいなと思っています。また、そういった部分をいち早く認識して活動している企業は、どんなことを考えてR&D部門をリードしてきたのか、ぜひ見ていただきたいです。
渡部:昨年度までは生産性という切り口でした。でも結局、生産性をあげるというのは手段なんですよね。その先には「いかに社会貢献しているか」があって、それが会社の存在意義、働き甲斐につながると思います。
R&Dという技術的なイノベーションが未来社会にどう貢献していくのか。そんな事例を聞いていただきたいというのが今年の趣旨ですね。
近藤:そうですね。そして、社会課題解決のためにテクノロジーを使おうという機運が高まっていて、そういった視点の取り組みでも、かなりいいものが出てきています。
渡部:従来からR&Dはそういった機能をもっていたけれど、どちらかというと「新しい技術ができました。使って下さい」のような、技術を押し付けるようなニュアンスもありました。
でも今回のセッションはどれも「明るい未来を描き、それにイノベーションがどう貢献するか」という話が聞けると思います。
ー今回のR&Dイノベーションフォーラムのポイントはなんですか?
渡部:やはり一番はタイムリーなテーマであるということですね。そして1日の講演がすべて体系立てて聴けるようになっています。
たとえば、基調講演①でお話しいただく馬田先生は4つのキーワードとして、インパクト、リスク、ガバナンス、センスメイキングを挙げています。それに相当する事例が、基調講演②と午後のセッションにつながるようになっているんです。1日を通じて社会実装、未来実装の在り方について体系だって話が聞けます。
近藤:基調講演②の村下先生の取り組みも非常に注目されています。たとえば、「寿命が短い青森県をどうにかしたい」といった地域の課題解決基点って、そのまま社会課題の解決ですよね。ビックデータを解析し、AIで将来の病気リスクを判定したり、抑えるための行動変容につなげるといったことを実際にモノにされています。
松井:以前からのフォーラムと同様、午前は基調講演、午後は各セッションに分かれます。参加者のみなさまにとって、もっとも自分たちの課題観に近いセッションをお選びいただけるようになっています。
具体的には、
Aセッション:イノベーションの創出そのもの
発想したものを社会に納得してもらい、より多くの人に活用してもらうための仕組みづくり、実装する
Bセッション:イノベーションを生み出すプロセス
インパクトがある未来社会、それを実現する道筋の描き方、リスク・不確定要素をどう克服していくか
Cセッション:イノベーションを生み出すための組織づくりや人づくり
そもそもインパクトがある未来社会とはなにかを発想できる人材づくり
についてご講演いただきます。
ー無料セミナーとの違いなんでしょうか?
近藤:JMACではよく無料のセミナーも開催していますが、無料セミナーは基本的にコンサルタントが話をします。考え方、進め方、プロジェクト推進の勘どころについてお話しするのが、通常のセミナーです。
今回のフォーラムは有料ですが、コンサルタントの話だけでなく、実際に推進したメインスピーカーから「実際のプロジェクトでなにが行われているか」ということを聞くことができます。実際に推進したお話は、コンサルタントからだと守秘義務があるので深いところまで話せないんです。
「実際どうだった、何がうまくいった、どこが難しかった、JMACはどんな役割だったか」など、本当のリアルな話を聞けるのは貴重な機会だと思います。
ー今回は会場とZoom両方で開催するんですよね。
近藤:コロナ前はリアル開催のみ、昨年はオンラインのみでした。両方実施するのは今回が初の取り組みとなります。
会場で参加するメリットとしては、やはり実際に講師の方が目の前にいて、同じような課題間をもっている聴講者の方と聞く、ということに価値があるのではないかと多います。
盛田:リアル参加は質疑応答も直接できるので、双方向のコミュニケーションを通じて生の空気を感じられるのはポイントですよね。
逆にオンライン開催のメリットは、場所の制約がなくなったことですね。これまで来ることが難しかった地域の方でも視聴いただけます。ぜひ使い分けて参加してほしいです。
近藤:それに、今回は見逃し配信ですべてのセッションを聞くことができます。これまでは1つのセッションを選ぶしか出来なかったのですが、今回は後からすべてを視聴できるのは魅力ですね。
ー視聴いただいた方に、どんな感想や想いを持ち帰っていただきたいですか?
盛田:フォーラムに参加して、「自分たちの会社でも社会課題の解決に向けて何かやれそうだ」「本フォーラムの事例を参考にこうしてみようかな」
という思いを抱いていただけたら嬉しいです。
渡部:多くの人にそう感じていただければ開催した意味がありますね。実際フォーラムが終わってから、参加クライアントとお会いしたときに、直接感想をいただくこともあります。「刺激を受けた」と言っていただいたり、セッションの内容で話が弾んだり。ただ、もの足りないときはハッキリと言われ、お叱りをうけたこともあります。ダメ出しも原動力の1つとして、改善しながら、毎年開催しています。
近藤:参加者の方には、ぜひ取り組み方のヒントを持ち帰っていただきたいです。このフォーラムを革新施策、手法のプラットフォームとして、新しい領域を切り開くためのきっかけにしてほしいですね。「こういう先端的な取り組みがあるんだ!」ということを聞いていただき、刺激やヒントを与えられればと思います。
ーとくに、どんな方に参加してほしいでしょうか?
渡部:若い人にもぜひ聞いてほしいですね。これまでは役員や部課長クラス、マネジメントする側に聞いていただき、よい職場づくり、よいプロセスにつなげていこうという流れでした。
でも今回のような未来価値に関する発想や創出を、これから引っ張っていくのは若い世代ではないかと思うんですよね。若い方も参加して、刺激を受け、「今取り組んでいることは、こういうところにつながっているんだ」ということが認識できれば、頑張りがいや、モチベーションもあがると思います。
近藤:やはり、これから世の中をかえていく志のある方に刺さるお話だと思います。今回のフォーラムでは、実際に研究開発部門から社会課題を解決していこうと、実行しているリーダーの人が話してくれます。それぞれ悪戦苦闘している部分がありつつも、手ごたえを感じてこの場でお話ししてくれるんです。
いろんな会社で社会課題にたいして研究開発の取り組みが求められていますが、どうしてもカタチだけになっていたり、うまくいかず悩んでいる方も多いと思います。今回のスピーカーをみて、どうやってきたのか参考にしてほしいです。
以上、2回にわたりR&Dイノベーションフォーラムについてご紹介しました。本フォーラムについておわかりいただけたでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました!