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「ようこそ映画音響の世界へ」が話題になっています!
映画製作としての音響を学びたい人にとっては喉から手が出るぐらい魅力的なテキストとなることでしょう!!
無声映画時代からトーキーを経て、現代までの映画音響のすべてが解き明かされす。本当はまだまだあると思いますが、それはまたの機会を待ちたいと思います。
適切な効果音を求めてロケに出るなど、工夫を凝らして疑似音を模索するエンジニアたちの苦労がしのばれます。
映画音楽・効果音という定義は今でこそ当たり前となっていますが、映像が発明された頃には存在しなかったものです。
はるか昔、日本でも無声映画(サイレント映画)には「活動弁士」という職業があり、今でいう『ナレーター』とも言われるような存在でした。
映像(映画)の発達につれ、発声映画(トーキー)が生まれ、現在の映像時代へと進みます。
ご存じのように映画の効果音の重要性は、映画の出来を左右する大きな要素となります。息詰まるシーンや派手なアクションシーン。また、登場人物の心理描写にもその力を発揮するのです。映像に寄り添うように流れる音楽、効果音に観客の心は映画のなかに引き込まれるのですね。
今まで音響に関する映画がなかったことが不思議に思われます。いわゆる「裏方もの」は今までも多く作られていたでしょうが、こんな専門的な作品はおそらく初めての公開ではないでしょうか。
最初は映画には音がありませんでした。1927年にセットでの同録音が始まります。
本作に登場する映画監督・音響スタッフの声をざっとご紹介いたします。
・映画の音は錯覚のアートだ
・試行錯誤から効果音が生まれた
・音声の仕事は複雑だ
・ものすごい量のトラックが重ねられる
・言葉とは音の表情なんだと気づいた
・抑揚が意味を伝える
・言語とは音なんだ
<スティーブン・スピルバーグ監督:音が瞬間を永遠にする>
<ソフィア・コッポラ監督:音は映画を左右する>
『イレイザーヘッド』1981年公開:『エレファント・マン』1981年公開
デヴィッド・リンチ監督
抽象的な映画では音が大きな役割を担う。観客は映画の世界に引き込まれ、何年もその中で迷子になる
作品ごとの監督orスタッフの言葉です。(※公開日は日本公開の日付です)
★「地獄の黙示録」1980年公開 フランシス・フォード・コッポラ監督作
・音響デザインは脚本に書き込まれていて、ミキシングの助けになるようにマップを描いた
・音を担当制にすることによって効果音に一貫性が生まれる
・担当者はオーケストラの首席演奏者と同じ
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・動物(ライオン・トラ・サルなど)の声を録音し、迫力のあるものを重ねた
・当時の重役に解雇を言い渡される『音は重要じゃない』と言われたが、
数か月後、オスカー候補になる。
『音が重要だった』というメモ入りその重役から花が届く
・ジェット機の実際の音は意外と退屈で、弱弱しく感じた
・とにかく手のかかる作業だった
★「トップガン」1986年公開 トニー・スコット監督作を手掛けたスタッフ
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★「スターウォーズ」1978年公開 ジョージ・ルーカス監督作
・音は感情を伝える
・R2-D2は時間がかかった。担当者が自分の声を録音し、キーボードを重ねた
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★「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」2013年公開 アン・リー監督
・映画は映像と音の2つでできている
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★「ブラックパンサー」2018年公開 ライアン・クーグラー監督
・音はイメージに直結している
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★「ブレイブハート」1995年公開 メル・ギブソン監督作を手掛けたスタッフ/「ロードオブザリング」
・鳥肌が立てば成功
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★「ジュラシックパーク」1993年公開 スティーブン・スピルバーグ監督
・音が最も強く感情を伝える
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★「スター誕生」1977年公開 フランク・ピアソン監督
バーブラ・ストライサンド
・音は人間そのもの
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・音の力は計り知れない
★「プライベートライアン」1998公開 スティーブン・スピルバーグ監督作
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その他、本作に登場した作品です。
★「ジョーズ」1975年公開 スティーブン・スピルバーグ監督
★「アラビアのロレンス」1963年公開 デヴィッド・リーン監督
★「ハートロッカー」2010年公開 キャスリン・ビグロー監督
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最後に音響スタッフの活躍の現場をご紹介します
こうして映画の変換をみていくと、人類の知恵と歴史を目の当たりにした感動を覚えますよね(^^♪