子供のおねだり
少し前のTwitterでダウンタウンの松ちゃんが、ペットを買ってもらえないと嘆く娘に対し、不満や悲しみを笑いに変えてみな、と諭していた。
また別のツイートでは、裕福でなかった話に心が動いてしまう、とも呟いていた。
ダウンタウンの凄いところは、いつまでも庶民感覚を忘れないところだ。
若手の頃から長者番付を賑わしていたくらいだから、相当な財力を持っていることは想像に難くない。
だけどテレビで観ている限り、生活の豊かさを見せびらかすこともないし、弱者を見下すようなこともしない。
幼い頃の貧しい経験が、創造や才能の糧となり、今の生活を築いているのだと、強く信じているのだと思う。
チキンライスはダウンタウンだからこそ生まれた名曲だ。
常に第一線で活躍し続ける秘訣もそんなところにあるのかもしれない。
自分も子供の頃は裕福でなかったから、クリスマスプレゼントが望んでもいないプラスチックのちゃちいセロテープカッターだったり、外食することはほとんどなく、寿司といえばいなり寿司のことだった。
でも、言うほど貧しくはないけれど、満たされない経験があったからこそ、満たされるために工夫をしたり、喜びを感じることができるようになったのだと思っている。
結婚して子供が生まれ、夫婦共働きで働いているお陰で、自分が子供の頃よりかは余裕がある生活ができている今、少し悩むことがある。
子供からあれが欲しいこれが欲しいとおねだりされるのだが、成長するにつれて要求されるものの幅が広がり、高価なものになっていく。
松ちゃんの発言や自分の経験からも、不満や悲しみを糧にしてほしい気持ちがある。でも子供の喜ぶ顔も見てみたい。与えることによって広がる世界があるかもしれない。
買ってやれないこともない、が一番しんどい。
昨日も小5の娘がタブレットの通販サイトを見ていた。
直接は言ってこない。欲しいものがある、というアピールをしてくるのだ。
無視しようかと思ったが、何か欲しいものあるの?と聞いてしまった。
そこから娘のプレゼンが始まる。前から欲しがっていたキャラクター物のパジャマだった。
買ってやれないこともない。
様々な葛藤の末、鬼にはなれなかった。
落胆する子供に奮起を促すことより、喜ぶ顔見たさが勝ってしまった。
松ちゃん、あなたはやっぱり凄い。