第9回さいたま市北区子どもの遊び場・居場所づくり勉強会(ZOOM)レポート
2024年12月16日(月)夜、茨城県や上尾市で親子参加型の野外遊び場づくりイベントを長年継続してきている、八幡さんをゲストスピーカーにお招きし、第9回さいたま市北区子どもの遊び場居場所づくり勉強ZOOM会を開催しました。途中入室・途中退室がありつつ、約7名ほどの参加がありました。
冒頭では、参加者の方の自己紹介を簡単に行い、「ジョガボーラきららさいたま」という団体の説明や今後の展望について西出よりお話させていただいたのち、いよいよ、ゲストスピーカーである八幡さんの「親子参加型野外遊びイベント継続のヒント」のお話を伺いました。
1.茨城県のキャンプイベント
●時期:年2回 5月GWと(10月または)11月上旬の3連休の時期に開催
●規模:100~250人の子どもと大人、親子に限らず様々な人が参加、ソロで参加する人も
●参加形態:1泊でも2泊でもOK
●きっかけ:最初は秋ヶ瀬公園でゲリラで音を出してイベントをやっていました。音を出して大人同士で遊ぶイベントをやりたい、というのがきっかけ。最初は30人くらいから始まりました。最初から子連れの参加者もいたので、だんだん親子参加の形にシフトしました。最初のほうは秩父でやっていたこともありました。
●歴史:13年目
●大変だったこと:ここ3、4年は安定してきた。最初の7年くらいはクレームも多かった。
●運営スタッフ:3人
●ルールづくり:子ども向けに、1人で勝手にどこかにいかない。どこかに行くときは大人に声をかける。中学生も参加しているので、アタマになってもらって子どもたちの安全を管理する。大学生なども来てくれる。
●イベント開催の原動力:ライブハウスを貸し切ってイベントを開催してきた経験が生かされているのかも。
●活動内容:BGM的な感じで音が鳴っていて、じゃんけん大会や大縄跳び、リレーをやり、お菓子や景品も準備。薪を割らして焚火、大人も子供もフリースタイルで踊る。Adoとか今時の音楽、洋楽・邦楽問わずいろいろな音楽をいろいろなDJが流す。
●準備:終わるたびに準備が始まる。長くやってきているので成熟してきている。
●口コミ:知り合いの知り合いまで。
●スタンス:赤字ともめごとが無い限り続ける
●参加費:大人は参加費1人3000円。子供のは無料。これでも赤字は出ない。
●必要な精神:(あいさつ周りとか)めんどくらいことをめんどくさがらないことが一番大事。
●課題:敷地に対して参加人数が多すぎることくらい。うれしい悲鳴。
2.上尾市の森で遊ぶイベント
●時期:年1回(2回の時もあった)
●動機:子どものためにやっている。普段できないことをやろう、と思って始めた。
●活動内容:日帰りの野外遊びしよう、というイベント。宿泊はなし。手作りブランコ、薪を割って焚火、枯葉など集めてアート活動、モルック、弓矢を作って遊ぶなど。音楽を流しながら活動。フードは、運営側でもタコス、ピザ、ソーセージを用意して、参加者も食べたいものを持ち寄りで持ってくる。
●スタンス:自分の責任で遊ぶことが基本。
●運営体制:役割分担しながらやっている。茨城県に来ている仲間がこちらも参加してくれている。
●参加費:大人のみ1人500円くらい。
●歴史:森ができて5年、イベントは3年目くらい。
●抱負:60歳までは頑張ります!
●よかったこと:「ディズニーランドより楽しかった!」と言ってくれる女の子がいて、とてもうれしかった。
●課題:飽きさせないために、何かをしていかないといけないな、というところが課題です。
●想い:火に触れること、を大事に考えている。危なさ・使い方を伝えていきたい。非日常、普段できない体験をしてほしい、という想いがある。アウトドアを通じて、サバイバル体験をさせたい。
【次回予告】3月16日(日)に開催するかも!?
3.今後の野望
ー八幡さんー
上尾の森、継続していきたいと思っています。フードを出したり、全体を管理したり、の担い手募集中です。
普段の遊びと違う場所を提供できる環境というのが、もっともっと増えていったらいいなと思います。
上尾の森ももっとたくさん使ったらいいと思いますし、そういう場が増えていったらいいなと思います。
自分が楽しいっていうのが大事だけど、そういう中で、ほかの人が楽しいって言ってくれるのがうれしいです。
4.感想共有
相川さん:家族で参加できる、楽しんでやるっていうのが一番。継続の鍵ですよね。
台東区在住の男性:今日たまたま空いていたので参加しました。沖縄出身です。沖縄では海でビーチパーティーをすることがあり、小さいころ大好きでした。今は台東区に住んでいます。子どもとの関わりも大好きです。今は地域活動は全くしていないですね。ダイビングの資格ももっています。海派です。
八幡さん:僕は海が苦手です(笑)
台東区在住の男性:沖縄の海では飲んで騒いで踊って。
生まれて初めて「ジョガボーラ」っていうのを初めて知りましたね。
デジタルは進んだけど、自然とかかわることが逆に今は大事かなって思いますね。
八幡さん:自己責任っていうのも大事ですよね。
台東区在住の男性:今の世の中、責任、責任、と言いすぎて、それを恐れて他人のせいとか・・・何もしないとか・・・になってますよね。「死にゃあせん」が、僕の家族の口癖なんですよ(笑)
八幡さん:(子どもの遊び場が)大人がいないと、管理者がいないといけない時代になっているので難しいですよね。森遊びは、ゲームばっかりの子を引っ張り出したいなっていうのもありますね。
台東区の在住:子どもは本来虫が大好きなんですけど、大人が変な入れ知恵をして嫌なものにしてしまっていますね。子供は本能的に自然に触れあおうとするものですけど、大人が妨害している気がしますね。
八幡さん:野外で遊ぶっていう機会を増やしたいですよね。
5.編集後記
今回は、茨城県で約15年、上尾市で約3年、親子参加型野外遊びのイベントを継続し続けてきている八幡さんに貴重なお話を伺うことができました。「音を出すイベントをしたい」という動機から始まって、仲間が子連れが多かったことから、だんだんと親子参加型であったり、子ども向けの傾向の強いイベントに変化させながら長く継続してきた八幡さん。始まったばかりの頃は、音を出すイベントのため、近隣住民からもクレームが出たりして、場所を選んだり、あいさつ周りをしながら、その情熱を絶やさず続けてきて、大規模イベントに成長しました。
野外で遊ぶ、火と触れる、自然と触れる、そういうことが非日常になってきている現代社会ですが、貴重な場を継続している姿から学び、こういった場が各地に広がり文化になっていくといいなと思いましたし、ジョガボーラきららさいたまとしても、普段のサッカー活動だけじゃなく、積極的に、野外活動の場づくりに貢献していきたいと思いました。
貴重なお話をしてくださった八幡さん、参加してくださった皆さん、誠にありがとうございました!