ドローンでミニチュア風写真は撮れるのか?
ミニチュア風写真は高いところから撮りますが展望台やビルからの撮影では撮影ポイントに限界があります。もっと色んなポイントからミニチュア風写真を撮れたら良いと思ったことはありませんか?
僕は常に思っています。
ミニチュア風写真の歴史を振り返るとかつてはオリボ・バルビエリは気球等を使って空撮でミニチュア風写真を撮っていました。
空撮…。空撮と言えばドローンでミニチュア風写真出来るんじゃないかと思いついたのです。
実はドローンでミニチュア風写真のことは数年前から構想していました。実際DJIのショールームに行って相談したこともありました。
結論から言うと現状出来ないことはないのですがいくつかの課題点があります。
ドローンでミニチュア風写真を撮るための課題点
ドローンでミニチュア風写真を撮るに当たって現在考えられる以下の課題点があります。
ドローンに投資する金額
ピントを正確に合わせるシステム
人口集中地区でのドローン規制
これらの課題点をもう少し詳しく考えてみましょう。
ドローンに投資する金額
ミニチュア風写真を撮るためにはチルトシフトレンズを使う必要があります。このレンズをドローンに搭載するためにはミラーレスカメラを搭載できるドローンかレンズ交換式のドローンが必要となります。
現状ミラーレスカメラを搭載できるドローンは既製品ではソニーのAirpeak S1位しかありません。100万超えのドローンでジンバルなども別途必要なので軽く見積もっても200万近く投資が必要になります。
レンズ交換式のドローンはDJIだとInspire 3がありますがこの機種からDLマウントという独自マウントになってしまいチルトシフトレンズを搭載するのが難しくなりました。
もちろん自作ドローンであればミラーレスカメラを搭載できるような大型ドローンを既製品より安くは作れますが投資以外にドローンの制作の知識や技術が必要となってきます。
ミニチュア風写真を気に入って貰えて作品を高額で買って貰えるようなパトロンがおられたら実現できますがそんなうまい話はなかなかありません。
ピントを正確に合わせるシステム
次に考えなければならないのがドローンでピントをどのように合わせるか考える必要がありますがそのためにはチルトシフトレンズの特性も考慮に入れる必要があります。
チルトシフトレンズは電子接点のないマニュアルレンズなのでオートフォーカスでは合わすことができません。必ずフォーカスを回してピントを正確に合わす必要があります。これをドローンで実現するにはフォローフォーカスというシステムを使う必要があります。ミニチュア風写真は針の穴に糸を通すくらいピントを合わせが難しいので果たして上空でドローンを飛ばしながらフォローフォーカスで思い通りにピントを合わせられるのかという課題が残ります。
ドローンで高額な投資をしてもピントを上手く合わせられないのであればその投資が無駄に終わってしまいます。
人口集中地区でのドローン規制
ミニチュア風写真はやはり人がある程度いる所で観光地だったり目立った建物を被写体として撮りたいと思っています。大体そういう場所は人口集中地区が多く気軽にドローンを飛ばす事ができません。
人口集中地区でも申請すれば撮ることが可能な場合もありますが前述した通りかなり大型のドローンが必要になるので許可されない可能性もありますしもし許可されたとしても立ち入り禁止区域を設けるなど大掛かりな処置が必要です。
また需要な施設や公園等ははじめからドローン飛行を禁止している区域も多くなかなか難しいところです。
ドローンでミニチュア風写真を撮るための解決策はあるのか
ドローンの投資金額に関しては現状手が出せる価格ではないので将来ミラーレス搭載ドローンが普及して下がることに期待したいと思います。
ピントを合わせるフォーローフォーカスはいくらか候補はありますがその大半がワイヤレスの伝送距離が100mほどしかありません。ドローンは上空150mまでは飛ばせるので真上に飛ばすだけでも伝送距離が足りません。その中でTILTA Nucleus-Mは300m伝送距離がありますがドローンは水平方向にもっと遠くに飛ばすことも可能なのでトランスミッターが必要になるかと思います。トランスミッターを搭載して2kmほどと伝送距離が増えますが重量やフォーカスの微調整等実際使ってみないとカタログスペックだけでは見えない部分もあります。
人口集中地区でのドローン規制は少し解決策がありました。人口集中地区との境界線から近い場所でドローンを飛ばせることを最近知りました。私有地の所有者の許可を得て真上に飛ばすことでドローン撮影ができました。
今ドローンでできるミニチュア風写真
ドローンでリアルのミニチュア風写真の撮影は将来してみたい夢の1つとして置いておいて今できることでミニチュア風写真を楽しみたいと思います。
DJI Mavic 3 Proでドローンの操作を覚えながら新たなミニチュア風写真の可能性を見つけています。
その一つとして真上からの俯瞰撮影方法でサイズ感だけでミニチュア風にするタイムラプス動画です。実は本物のミニチュアも真上からの俯瞰撮影はボケがほとんどありません。写っているトラックや車のサイズ感でミニチュアに見えるように脳を騙すのです。
もう一つは人口集中地区との境界線から近い場所から撮影しPhotoshopでチルトシフト加工してミニチュア風写真に仕上げる方法です。(写真1)
ミニチュア風写真は45°に傾けて撮影するのでドローンで100mくらい上空に飛ばすとその距離と同じ100m先の風景を中心に撮ることができます。この写真をPhotoshopで加工してミニチュア風写真にします。
ドローンにもミニチュア風写真の可能性が見えますね。また新たなミニチュア風写真が撮れたらインスタ等で紹介します。
noteの読者の中に自作ドローン制作に詳しい方や大型ドローンで撮影を実際にしている方がおられましたらご連絡いただけたらと思います。ドローンでリアルのミニチュア風写真の撮影する夢を叶えてみたいです。