ミニチュア風写真はAPS-Cカメラで撮れ
大は小を兼ねるという言葉がありますがミニチュア風写真で撮るカメラのセンサーには通用しません。
なぜそう言えるのでしょうか?
まずはこちらの写真をご覧ください。(写真1)
この写真はSONY α6600にSIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Artのレンズで18mmの広角側で撮りました。
上側の両端にケラレが発生しているのが分かりますね。
APS-CセンサーのカメラにAPS-C用のレンズなので普通の写真の場合はケラレは出ないのですがチルトシフトレンズとしてミニチュア風写真を撮った場合はケラレが発生するのはなぜでしょうか?
その答えはチルトシフトレンズのチルト角を傾けるとレンズから入る光が正円ではなく楕円になるからなんです。
この答えだけでは分かりずらいので図で説明してみましょう。
チルトシフトレンズでケラレが発生する理由
図1の黒い部分はフルサイズ用の通常のレンズを使った場合の光の境界です。
ピンクの枠がフルサイズのセンサーでグリーン枠がAPS-Cのセンサーを表しています。
(実際は天地左右逆転していますが分かりやいすいように正転で表示しています。)
この場合フルサイズAPS-Cどちらのカメラでもケラレなく撮影できます。
図2の黒い部分はAPS-C用の通常のレンズを使った場合の光の境界です。
この場合APS-Cのカメラはケラレなく撮影できますがフルサイズのカメラではケラレが発生します。
図3の黒い部分はフルサイズ用のチルトシフトレンズを使ってチルト角を10°傾けた場合の光の境界です。
この場合APS-Cのカメラはケラレなく撮影できますがフルサイズのカメラでは上側の左右にケラレが発生しています。
もう少し詳しく見ると白色の円が通常の光の境界で正円ですが黄色の円がチルトシフトレンズを使ってチルト角を10°傾けた場合の光の境界で楕円になっているのが分かります。
チルトシフトレンズは傾けるほど楕円の縦の直径が短くなるのです。
数式で表すと以下になります。
楕円の縦の直径=光の境界の直径×(90-チルト角)/90
図4の黒い部分はAPS-C用のチルトシフトレンズを使ってチルト角を10°傾けた場合の光の境界です。
この場合フルサイズのカメラはケラレが発生して当然ですがAPS-Cのカメラでも上側の左右にケラレが発生しています。
このようにチルトシフトレンズは傾けるほど楕円の縦の直径が短くなるので同サイズのカメラとレンズを使った場合ケラレが少し出てしまうのです。
このケラレを出さないためにカメラのセンサーは「小は大を兼ねる」を適用してワンサイズ小さめのAPS-Cにしてレンズはフルサイズを使うことでケラレなくミニチュア風写真が撮ることが出来るのです。
同サイズのカメラとレンズでミニチュア風写真で撮りたい場合はレンズはズームレンズの望遠側で撮るとケラレがなくなることもあります。
実際僕はAPS-C機のカメラを使いながらSIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Artのレンズで22mm以上の望遠側で撮っています。(写真2)
どんなAPS-Cカメラがお薦め?
ミニチュア風写真を撮る場合チルトシフトレンズが必要ですがチルトシフトアダプターがあれば様々なカメラとレンズを組み合わせて撮影できます。中でもSONY Eマウントのカメラはチルトシフトアダプターを容易に入手できますのでお薦めできるメーカーと言えます。
これからミニチュア風写真を始める方にお薦めのAPS-CカメラはSONY ZV-E10です。
VLOGCAMとして売り出していますが静止画の撮影も上位機種と遜色がありません。ビューファインダーがないのでそれだけ我慢できれば十分な性能です。
本格的にミニチュア風写真を撮るならSONY α6700がお薦めです。
ビューファインダーを搭載していますしバッテリーがNP-FZ100の大容量バッテリーを搭載しているので長時間の撮影でもバッテリー交換なく使えます。
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