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ミニチュア風それともジオラマ風?

僕はミニチュア風写真家と名乗らせて頂いてますが自分の名刺にはミニチュア風写真家と肩書が記されていてその名刺を渡すと「ジオラマっぽく撮っているんですね」とか「あのミニチュア写真家の方ですか?」とまだまだミニチュア風写真という言葉が定着していないようで説明に苦慮しています。
それだけでなく実は最近までInstagramのハッシュタグで #ミニチュア風#ジオラマ風 の2つのタグを載せてあいまい検索で発見されやすくしていました。

果たして自分の撮っている写真がミニチュア風なのかそれともジオラマ風なのかはっきりさせたいと思い詳しく調べてみました。

ミニチュアとは?

ミニチュア(英語: miniature)とは「小さなもの」「小型のもの」の意。
フランス語の“ミニアチュール(miniature)”の英語読みであり、元来は朱色の顔料の一種であるミニウム(ラテン語: minium:鉛丹)を用いて描かれた中世の挿絵付き写本の装飾(題字および表紙画、挿絵など)を指した。この“ミニアチュール”は判型が小さいのものが多かったため、「より細かい」「微細な」を意味する“minute”の意味であると混同され、小型の判型で緻密に描かれた装飾画や細密画のことを指す用語となり、転じて現代で用いられているような、“(元々は大型のものを)そのまま縮小したようなもの”を指す単語となった。

Wikipedia

ミニチュアは小さいものを指す言葉で「ミニカー」と略されているミニチュア自動車玩具みたいな小型模型や小型玩具などを指す言葉でよく使われます。

ミニチュア風写真と呼んでいるのは写真に写っている被写体が実際のものよりかなり小さく見えてるので「風」と言う言葉を加えて表現しています。

ジオラマとは?

ジオラマ(仏:diorama)は、展示物とその周辺環境・背景を立体的に表現する方法で、博物館展示方法の一つである。

Wikipedia

ジオラマは展示方法の1つで展示物が例えばNゲージのような小型鉄道模型であれば周辺環境や背景もその展示物に合わせた小さなスケールで作られ展示されます。
しかしジオラマには展示物が実際の大きさだったり実物よりも大きいという場合がありますので展示されるジオラマのサイズは展示物によってスケールが変化します。

例えばすみだ北斎美術館にある北斎のジオラマはほぼ実物の大きさで再現されています。(写真1)

写真1 すみだ北斎美術館

写真1のジオラマに合わせたジオラマ風写真を撮るとなると実際の人物が同じ格好をしてポーズを決めて撮影するだけですのでジオラマ風写真は小さく見える写真とは限らないことが理解できます。

ジオラマに関しては兵庫県立歴史博物館の学芸員のコラムで興味深いジオラマの歴史についての記事がありジオラマは元々「透かし絵」という意味で使われていたそうです。

ジオラマについて調べてみると自分が撮っている写真はジオラマ風写真と表現するのは間違っているのではないかと気づかされました。

ミニチュア風とジオラマ風という言葉はいつ生まれた?

ミニチュア風とジオラマ風という言葉の起源はいつなのか調べてみました。

Google検索によると2007年ごろからこれら2つの言葉が使われていて斜め上から俯瞰した写真の上下にぼかしのエフェクトを加えた写真に使われていました。
ジオラマ風(ミニチュア風)と記述されいることが多く当初からあいまいな使われ方をしていました。

本城直季氏のsmall planetの写真集が出たのは2006年なのでやはりこの写真集がきっかけで多くの人がミニチュア風写真に関心を持つようになったと考えられます。
ただ本城氏の写真集の帯には「都市の風景をミニチュアのように撮る写真家」とありますし本城氏の概要にも「大判カメラのアオリを利用して擬似的に被写界深度の浅い写真を撮り、実際の風景や人物などをミニチュア・ジオラマのように見せる手法で知られる。」と述べていますのでミニチュア風やジオラマ風は彼の写真集発売後に派生した言葉と考えられます。

ミニチュア"風"写真と言おう

そしてミニチュア"風"写真と言わざるを得ない大きな理由があります。

それは田中達也氏の「ミニチュア写真」というものが実際にあり彼の写真は本物のミニチュアのジオコレ等を使って撮ったユニークな写真と区別する必要があるからです。

チルトシフトレンズのアオリ効果を利用してミニチュアっぽく見える写真は総じて「ミニチュア風写真」と言うと決めましょう。
そしてSNSのハッシュタグは #ジオラマ風 は使わないことにします。

是非皆さんもミニチュア風写真を撮ってSNSにアップする時は #ミニチュア風 のハッシュタグを付けて投稿することをお薦めします。
「ミニチュア風写真」で世界をミニチュア風の世界にみんなで変えていきましょう!

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