TRPG「パラノイア」紹介
STAY ALERT! TRUST NO ONE! KEEP YOUR LASER HANDY!
こんにちは。みなさんはテーブルトークロールプレイングゲーム、TRPGをご存じですか? RPGというとドラゴンクエストに代表されるビデオゲームを想像される方が多いと思います。実はあれらはコンピューターの制御で自動化されたRPGで、元々のRPGは人力で「その攻撃は有効」だのといった判定を行っていました。コンピューターRPGがRPGとして市民権を得て源流RPGはTRPGとなったわけですわな。
私はTRPGにキョーミを持ってなかったのですが、ある有名なWeb記事を見て「やってみたい」と思うようになりました。その記事で紹介されていたのがタイトルのパラノイアなのですが、先ほど気まぐれでそのWeb記事をまた見ようと思いアクセスしてみたら2021年1月で閉鎖されていました。なのでそのかわりに紹介しようかなと思ったのが本記事の執筆経緯です。ぜひみなさんもパラノイアの世界にハマりましょう。
ここに公式画像を引用し掲載する予定でしたがnoteでは不可能だったので画像なしです。ご容赦ください。
パラノイアは1984年に初版が発売されたブラックユーモアTRPGです。
パラノイア (PARANOIA) は、ディストピア社会を舞台にしたサイエンスフィクション・テーブルトークRPGである。グレッグ・コスティキャン、Dan Gelber、Eric Goldbergの三名によってデザイン・執筆され、1984年にWest End Gamesから出版された。2004年以降は、Mongoose Publishingによるライセンスの下に出版されている。このゲームは1984年のオリジン賞を最優秀ロールプレイングゲーム部門で受賞し [1]、2007年にオリジン賞の殿堂入りとなった[2]。
引用元:パラノイア (TRPG) - Wikipedia 2019年9月20日 (金) 10:34版
TRPGというのはまあ平たく言えば「ごっこ遊び」(※パラノイア公式でも呼んでいます。貶める意図はありません)で、ゲームマスターを除いた参加者(プレーヤー)らが基本的にそれぞれひとり1キャラクターを演じ、強敵を倒したり財宝を見つけたり、シナリオに沿って動いていくゲームです。プレーヤーは協力してゲームマスターの用意した障害を乗り越えるのがTRPGの肝と言っていいでしょう。
パラノイアは一味違いました。このゲームはプレーヤー間の闘争が肝になっています。昨今は人狼系ゲームが流行っていますが、あれらと同じ性格のものと考えていいでしょう。いえ、一応裏切り行為なしで協力して進めることを重点にプレーすることもあります。しかし、このゲームを語る場合はプレーヤー間闘争が主でしょう。なんせルールブックもそれを推奨するかのような文章が盛り込まれているので。
未来、ある一機のザ・コンピューターに統制された地下シェルター都市に暮らす市民がプレーヤーキャラクターです。タイトルのパラノイアとは偏執病という意味ですが、都市を統制するザ・コンピューターこそパラノイアに陥っている張本人(機)であり、市民らはそのために窮屈な暮らしを強いられています。が、市民らは外界を知らないためそれに疑問を持ちません。
中にはそんなディストピア暮らしに疑問を持つ者も居ます。が、ザ・コンピューターが法を司るこの世界では疑問を持つことも「反逆行為」となり、あまりに反逆的な市民とみなされれば処刑され死亡します。そして記憶をコピーされたクローンが送られてきます。キャラクターが死亡したプレーヤーはその新クローンを操作する、と、こんな流れでゲームは進行します(「反逆」という言葉は公式で多用されており実際のプレーでも頻繁に使用されるワードです)
トラブルシューターズ版においてプレーヤーキャラクターらはたいてい任務を言い渡されそれをクリアするのが目的になるのですが、多くの場合その任務は達成できるものではありません。偏執病のザ・コンピューター統制下のこの都市の市民は完璧で幸福でなければならない義務があるため、任務の失敗はありえません。任務の失敗は反逆者がキャラクターに紛れ込んでいたことにされがちです。そのため任務の首尾報告時、責任のなすりつけ合いがキャラクター間で始まります。
ところで強力な統制下のこの都市では遺伝的に完璧でない者は反逆であるし、秘密結社に所属することも反逆です。で、プレーヤーキャラクターは全員超常能力保持者で秘密結社員です。プレーヤーは他のキャラクターも同様にそうであることを知っており、もし自身がその尻尾を出した場合、他プレーヤーは告発、あるいは処刑してくるわけです。反逆者を告発しないのは無能か怠惰であるとされ、反逆です。心証をよくするためにプレーヤーは基本的に反逆者の告発を狙っているわけです。どうです、なかなか面白くなってきたと思いませんか? 冒頭に書いた「STAY ALERT! TRUST NO ONE! KEEP YOUR LASER HANDY!(気を抜くな! 誰も信用するな! レーザーガンを手放すな!)」はこのゲームのキーフレーズ(公式)です。
1.未来の地下都市アルファコンプレックスを管理するコンピューターは、コミュニスト(共産主義者)による侵略という妄想にかられています。あなたの仕事はトラブルシューターとしてコンピューターに奉仕し、反逆者を処刑することです。
2.コミー(共産主義者)は反逆者です。彼らはアルファコンプレックスの転覆を企てています。ミュータント(超常能力保持者)は反逆者です。彼らはその能力を利己的に使用しています。秘密結社のメンバーは反逆者です。アルファコンプレックスの善き秩序を蝕んでいます。
3.さて、あなたはミュータントで秘密結社のメンバーです。あなたは反逆者です。しかし、あなたが反逆者であることはまだ知られていません。
4.あなたがいつまでも反逆者を告発あるいは処刑しなければ、コンピューターはあなたを無能か怠慢か反逆者であると考えます。無能と怠慢は反逆です。
5.あなたがもっとも簡単に発見出来る反逆者は同僚トラブルシューターです。同僚トラブルシューターもおそらくそう考えます。
引用元:paranoia_jp - 基礎知識
これらの制約の中で仲の良いメンバーらで上手く立ち回って笑いながらセッションを終えるのがパラノイアの大きな目標です。ですので「ゲーム中の争いはキャラクター間の確執でありプレーヤーには関係ない」という考え方のできるメンバーでやりましょう。ゲーム中に自分のキャラクターが突然撃たれて死亡するなどよくあることです。
おすすめリプレイ(※プレーログのこと)紹介。私はTRPGでパラノイアを最も好きで色々みているのですが、最もパラノイアの楽しさを正統に表現できているのはこれかなと。少々古いログですが、まあ初版使用のプレーで初版発売年が1984年なので。ここまで読んで興味を持たれた方なら楽しく読むことができると思います。ぜひどうぞ。
パラノイアのページ「義務幸福・目次」(パラノイアリプレイ「チキチキ市民猛レース」)