単純な作業だからこそロボットは導入できる
こんにちは。9月になりましたが、まだまだ残暑が厳しいですね。
さて、今回はロボットの導入事例について、良い例が有りましたので紹介したいと思います。
一般的に、ロボットの導入となるとちょっと身構えてしまいなかなか導入が進まないのですが、逆に困ったことで単純作業などはロボットに置き換える絶好のチャンスだと思います。
この事例のように、困ったなってことの動作を分解して観察すると、以外と簡単にロボットの導入ができると思います。
ロボットの導入目的は作業者不足
だいたい近年におけるロボットの導入目的には、労働作業者不足が大半を占めると思います。特に、高齢化が進んでいるような分野では、切実な問題となっております。
今回ネット目見つけた事例は、第1次産業に当たる林業の事例になります。
北海道にある大坂林業さんが、ユニバーサルロボットを導入して作業工程の人員を半分にした内容です。
実際の作業は、苗木を育てるための工程で、一番最初に苗木を入れるトレーに土を詰めるという作業工程です。
従来は、最初に土を詰める機械の前後に1名づつ作業者が付き、空トレーをコンベアに乗せる作業、土詰めが終わったトレーをコンベアから取り外す作業の内、空トレーを乗せる部分をロボット化しました。
ロボット導入の工夫点としては、空トレーが積み重なって来るのですが、このトレーが経年変化で変形し、重なると抜けにくくなるのですが、それをハンドを工夫することにより、どんなに変形しても取り外しができるようにしていることですね。
実際の作業動画はこれになります。
一般的な人がこの動画を見て、空トレーをコンベアに乗せるよりも、土が詰まった重たいトレーを下ろす作業をロボット化したほうが良いと思われますね。
しかし、産業用ロボットと違い協調型ロボットの場合には、可搬重量制限が厳しい実態があります。
例えば、このロボットの大きさから見るとユニバーサルロボットのUR10のように見受けられます。
このロボットの場合、UR10という名前が表すように可搬重量が10Kgになります。この10Kgというのは、物を掴むハンドの重量を含めての重さになりますので、この動画を見てもらうと分かりますが、掴むトレーおn大きさも有りハンド自体もそこそこの重量が有りそうです。
そうすると、このUR10の使える可搬重量はハンドの重さ+トレーの重さ+土の重さということになります。10Kgの可搬重量がありますが、安全マージンを見て若干少なめで使用しますから、土が入ったトレーを運搬するのは、バランスを考えても少々厳しいかと思われます。
さらなる省人化を目指して
このビデオを見ている限り、まずは省人化の取り組みとしてのロボット導入という感じが伺えます。
必要は発明の母というように、困っているからこそいろんなアイデアが出てくるのでしょうね。
しかし、先の土が詰まったトレーの運搬においても、土詰め機械の出口のコンベア端にローダー・アンローダーを取り付けて、トヨタ生産方式で言うカラクリなる自動機を使えば、人が作業しなくても実現可能になると思います。
また機械からおろした土入りトレーを別の工程に運搬するのも、AGVを使って移動経路を設定すれば、運搬は可能になります。
このように、AGVを使って運搬経路を設定したりすると、作業の流れが整流されて作業工程を把握しやすうなるメリットも現れると思います。
このように、作業を改善していこうとする場合には、現状の作業現場の簡単なレイアウト図を作成し、どこにどんな課題が有るのかを明確に記述していきます。
記述した課題に対して、誰が何時までに対策をするのかを明確に記入し、実際の対策を行っていけば、改善の抜けや漏れを防止することが出来ます。
そうすることにより、その作業現場の本来あるべき姿が見えてきますので、作業者は実際は何人で作業できるということが明確になりますから、その数値を目標として行動すればよいだけです。
省人化を実施するには、ロボット導入はあくまでも1つのツールに過ぎません。ロボットや自動機を導入するに当たって、作業手順をへんこうすれば可能であれば、作業手順も含めて変更するべきです。
どうしても、人作業で実施してきた場合には作業手順にも変なこだわりがあります。
省人化するには、まず現状の作業手順を疑って見るところがスタートらいになりますね。
いすれにしても、作業を単純化してロボットに置き換えられるところはロボットや自動機に置き換えて、人は価値を生む作業へ注力するべきです。
参考記事はこちら
改善は楽しいですね。
じぇいかわさきです。生産技術者として35年、今まで培った経験とスキルを元に、ものづくりに関わる世の出来事に対して思ったことをホンネで書いてます。ノウハウやアイデアもありますよ。 また写真も全力で撮っています、気に入った写真があればサポートや感想をぜひお寄せください。