ロボット産業にNEDOが本腰を入れだしたぞ
どうも、じぇいかわさきです。
今回は、コロナの影響もありますが近年労働者不足が言われている中で、ロボットによる自動化がずっと言われ続けてきました。
しかしながら、実際にはロボットそのものの機能や性能的な問題や、それを操作する技術者の問題もあり、なかなか普及していないのが事実です。
国も補助金などを出して、導入を促進しているのですが費用対効果と言う観点から二の足を踏む企業が多い。
そんな現状に対して、NEDOが本腰を入れだしてもっと普及させるための取り組みを発表しました。
支援金額を上乗せとか言う目先のことではなく、ロボットそのものの開発についてもっと国産化を促進して行こうと言う考えがベースですね。
今回はそのニュースについてお話します。
NEDOは何をしようとしているのか?
そもそもNEDOってなんだか知っていますか?
新エネルギー・産業技術総合開発機構のことをNEDOといいます。
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(しんエネルギー・さんぎょうぎじゅつそうごうかいはつきこう)は、日本のエネルギー・環境分野と産業技術の一端を担う国立研究開発法人である。略称NEDO(ネド、New Energy and Industrial Technology Development Organization)。2015年4月に同名称の独立行政法人より国立研究開発法人へと移行した。本部は神奈川県川崎市。
ウィキペディア
と書かれており、新しい技術開発を企業や大学と協力して開発していく取りまとめを行っているところです。
今回、先に書いたように労働人口の減少、コロナによる接触環境の排除などにより、ロボット導入による自動化と効率化が言われています。
これを改善するために、ロボットの導入がずっと言われ続けてきているのですが、実際には一部の企業以外では殆ど進んでいないのが実態で、導入を加速しなければ労働人口減に対応できなくなるのと遠い未来の話ではありません。
また、コロナの影響によりネット販売が増えて物流倉庫の拡大とそれに伴う作業者の手当が急務となってきています。
飲食業界では人に接しない配膳などが流行し、配膳ロボットなどが急激に拡大をしています。しかし、実際の料理や料理の盛りつけなどの領域ではまだまだ普及はしていません。
このように、今までのロボットが普及している自動車業界やエレクトロニクス業界だけでなく、もっと広く物流業界や食品業界でもロボットによる自動化が望まれているんです。
しかし、日本の現状としてはロボット専業メーカーは少なく、これらの会社による個別対応だけでは既に限界に達しており、何らかの手を打たなければいけないと言う点にNEDOが対応しはじめたのです。
つまり、今までのような単なる支援金などによる後方支援から、実際のロボット専業会社を育てるような最前線での技術開発に本腰を入れるように考えだしたのです。
NEDOが目指すところ
実際にNEDOは何をしようとしているのでしょうか。
NEDOは現状の企業からのニーズと、大学で研究されているロボット工学や基礎技術などの大学シーズをかけ合わせて有効活用を行い、将来に向けた社会実装を考えた産学連携体制基盤を構築しようとしているのです。
この基盤構築に関わるのは現状8社、11大学の共同開発が既にスタートしだしていると言うことですね。
そしてこれらの研究は、今まで個別に行われていたような内容を共創することで一気に加速し、実際の現場に導入して行こうと考えているのです。
どのような事を考えているかと言うと、当面の目標は大きく3つ
1.自動的、汎用的ロボット動作計画技術
2.多用な対象物に対応できるセンシング機能とハンドリング技術
3.ロボット構成部材へ適用できる新規非金属や複合素材
つまり、ロボット自体(本体構造)はある程度完成形に近い状況にありつつあるので、それを更に人作業に近づける為の、操作技術を中心に進めていくということですね。
この前お話したリーマン計量を用いた微分幾何学論理による衝突回避技術などもその一つだと思います。
また、自分も相談受けたことがありますが、新たな複合素材開発によりできた素材が、ものづくりへ何らかの支援ができないかという事なんです。
結局、ものづくりへの支援形式とはロボットを構成する構造部品への適用が一番早く確実な方法だと思うんですよ。そんな感じで、重厚なロボットがフレキシビリティを持つための新素材なども開発がすすんでいるようなんです。
どのように未来が変わるのか?
直ぐに適用できる内容と、まだまだ実験開発段階を抜け出せないものまで多種多様だと思いますが、これらが実現できるとどうなるのでしょうか?
やはり一番大きいのは、価値を生む人作業と価値を産まないロボット作業の融合が今以上に進むと言うこと。
それにより、効率化やフロア占有率を考えた完全自動化ラインが進んでいくでしょう。
同時に、価値を生む作業への浸透が進んでくるんではないでしょうか。
それは、今までのように決まった形にしか動けなかったロボットが、人体のように素材変更でフレキシブルに動けるようになれば、細かな作業動作や職人気質の仕事まで対応が可能となるからです。
従来、職人の手作業でなければできなかったような仕事も、8〜9割型ロボットが実行し、最終仕上げと確認を人が行うというようになれば、日本の独自文化を守っていくこともできるわけですから。
また使うことが普及することにより、新たな使いみちや新たな必要技術も分かるようになり、さらなる発展もすることになると思います。
今回のNEDOの活動が、尻切れにならないように期待したいですね。
じぇいかわさきです。生産技術者として35年、今まで培った経験とスキルを元に、ものづくりに関わる世の出来事に対して思ったことをホンネで書いてます。ノウハウやアイデアもありますよ。 また写真も全力で撮っています、気に入った写真があればサポートや感想をぜひお寄せください。