スイッチ
小学生の頃、つよしという友達がいた。
つよしは明るく活発なやつで内気だった僕をよく遊びに誘ってくれていた。
僕の家の前の公園に来て、
「純、イチローやろ!」と家に向かって叫ぶのだ。
イチローというのは僕たちが生み出した遊びで、左打ちのみの野球だ。
なぜ左のみかというと、小さな公園において、利き手である右で打ってしまうと高確率でホームランになってしまうからだ。
ただ僕たちは戦いの中で成長をし、両打ちになってしまった。
そう、イチローはいつしかセギノールになってしまったのだ。
つよしとは久しく連絡を取っていない。
つよし、また今度会ったらまたセギノールしよな。