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yamaakko4
中学生的な何か。タイトル未定。
ぱちりと目が合った。相手は一瞬「しまった」と顔を見せたが、すぐに店を出ていってしまった。今思えば、すぐにお店の人に言うべきだったろう。何しろ万引きの現場を見てしまったのだから。そのときの僕はそんなことを思いつきもせず、慌てて彼女のあとを追った。
彼女はクラスメイトで、成績もまずます。人気者とまではいかないが逆にいじめられているわけでもなく、明るく、かわいくて……
しばらく歩いた彼女は公園に入り、ベンチに座った。僕は迷ったが、思い切って彼女に近づいて聞いてみた。
「なんであんなことしたんだよ」
「いろいろあるのよ」
悪びれもせずにそう答える彼女は、なぜか楽しそうだった。鞄から取り出した何かを僕のポケットに押し込んで、彼女が耳元でささやいた。息が耳にかかる。
「これで、共犯だね」
彼女はいたずらっぽく笑うと、すぐに帰ってしまった。踊るように跳ねるように。僕はその後姿を、ただ見送ることしかできなかった。
そして大人になっていく。
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ぶんちゃんさんには「ぱちりと目が合った」で始まり、「そして大人になってゆく」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば3ツイート(420字)以内でお願いします。#書き出しと終わり #shindanmakerhttps://t.co/1iNQEUsV8q
— ぶんちゃん@布団 (@kakudabunjin) March 9, 2020