子育て、今思えば……。自分の好みをちょっとだけ押し付けてもよかったかも。
というのは、子供の習い事の話です。
我が息子、これまで一度も、どんなジャンルも、習い事というものに通ったことがありません。定番の「水泳」や「サッカー」、「ピアノ」や「お絵描き」、そして学習系の「教室」や「塾」にも、一度も行ったことがないです。
まあ、お金の節約にはなりました。そこまで高価ではない習い事も長年続ければかなりの額になるし、道具が必要なものもあるし、塾や予備校に至っては、びっくりするような授業料がかかりますよね。
とはいえ高校受験、大学受験のときは私のほうから「どこか行ったほうが情報ももらえるし、ペースメーカーになってくれるよ」と塾に通うことを勧めていました。だって成績がいいわけでもなく、しっかりと自分を律して勉強できるタイプでも全然ないからです。なのに、息子は頑固だった……
基本的には「決まった時間に決まった場所へ行く」こと自体が面倒くさかったのだと思いますが、本人は「人の手を借りたくない」とかっこつけたことを言ってました。
そして私は、「じゃあ、やってみせてくれよ💢」と心の中で毒づいていたものでした。
しかし、そもそもの始まりは私自身の「親が決めた習い事への嫌悪」だったのだと思います。幼稚園前から始まる「英語」や「学習」系の習い事を内心「バカみたい……」と冷めた目で見ていたし、小学校の体育でできないと恥ずかしいから「体操」とか「水泳」の教室へ行くとか、本人も言い出さないのに始めさせるなんてありえない、と思っていたんです。それこそ、頑なに。
もちろん子供が「やってみたい」と言い出したことがあったら、やらせるつもりでした。でもこれ、以前も書いた〝好きなことがあるのはすばらしい〟呪縛の一種だったなと今は思います。子供が自発的に好きでやりたいと言ったものじゃないとダメだ、それまで待たなくては、と考えていました。
けれど皮肉なことに、息子はそういう「好き」があまりない子でした。その結果、待てども待てども、「これやってみたい!」がなく、一つも習い事をせずに終わってしまった。なんなら途中から息子は「習い事をしたことがない」自分にこだわって、何もしないようにさえ見えました。逆効果……
今なら私も、「親の希望で一方的に始めさせるのは間違ってる!」なんて頭の固いことは言わずに、「ピアノ弾けたらカッコいい! いつか連弾できるかも?」と思ってピアノを習わせてみたり、幼児の英会話は今も?と思ってるけど、逆に「どんな教え方をするのかな」という興味から行かせてみたり、もっと自由に楽しめたかもなあと思います。
そのときは「こうでなくちゃ」と信じてやっていたことも、あとになると「なんでそこまで?」となることはいっぱいありますね。
こだわりどころがむずかしいけど、子供はそれなりに面白く育っていくのでまあ大丈夫! 今子育て中の方、ちょっと力を抜いて楽しんでくださいね。