【感想】『植物癒しと蟹の物語』を読んで、清々しい気持ちになりました。
本記事は「note×コトノハ」の合同企画「#読書の秋2021」の課題図書「植物癒しと蟹の物語」の読書感想文です。過去に趣味で撮影した写真を交えて読書感想文を書いてみました。本企画の詳細は下記に記載されています。
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30代後半になった私には、残念ながら、もうこの世にはいない家族や友人達が少なからずいます。私とのつながりがあった彼らや彼女らのことを考えると、いまだに私は「喪失感」を感じてしまいます。でも、本書に登場する「蟹と男性」のように、爽やかに、そして満足げに旅立ったのであれば、残された人達の心は救われると感じました。
本書を読み終えた後に、とても清々しい気持ちになりました。まるで朝の散歩で森林浴を楽しんだ後のような気持ちです。きっと、抱えていた「喪失感」に対処するための考え方を学べたからだと思います。本書は、「あとがき」に書かれている作者の想いを知ることで、本編の内容がより一層味わい深いものになります。ですので、本書は2回以上読むことをお薦めします。私は、「あとがき」を読むことで、1回目の読書では見落としていた繊細な表現などを、2回目の読書で気づくことができました。
私は草木花の写真を撮ることが好きです。本書では、「植物癒し」というかたちで植物達との交流が書かれていました。本書に登場する植物たちのように、現実世界でも植物たちが我々の気持ちを汲んでくれているかもしれないと思いました。何気ない草木花たちが、実は我々を優しく見守ってくれていると考えると、世界は優しさで満ちている気がしてきます。そして、散歩で出会う草木花たちに感謝の気持ちを抱くようになりました。
人間にとって「死」は避けることができないことです。でも本書を通して、「自分で自分を縛る生き方はやめよう」と思うようになりました。そして、自分を縛る事柄に気づけるようになりたいと思いました。自分が想像する以上に、生き方は自由で、そして可能性に満ちていると思いました。散歩中に出会う植物たちをきっかけとして、本書からの学びを思い出せそうです。
最後に、素敵な物語を紡いでいただいた作者の小林大輝先生に感謝いたします。読めば読むほど、色々な景色が見えてくる作品だと感じました。ありがとうございました。