アイドルの結婚、オタクの向き合い方
2012年、理想の息子で山田涼介に出会ってから、既に人生の半分以上をHey! Say! JUMPと山田涼介に費やしている。
先日、Hey! Say! JUMP有岡大貴の結婚が発表された。私は、まだ向き合えていない。
前述の通り、1番の推しは12年前から変わらずに山田涼介だ。山田涼介が結婚したわけじゃないのに向き合えないなどと嘆くにはいくつか理由がある
① まだ若くいわゆるチョロかった頃に有岡大貴に乗り換えかけた事があるくらいの思いは持っていた事
② 1人が結婚したことにより、これを皮切りにこのような選択がしやすい状況になる恐怖
③Hey! Say! JUMPのアイドルとしてのコンテンツを今まで通り楽しむのが難しくなる事
④ 他人の幸せを祝福できるほどの余裕を持ち合わせていない事
12年間も大好きで仕方なかったコンテンツが、6/7から摂取する度少し胸が痛くて、苦しいものになってしまっている。
しかし、12年、私の人生の半分以上をときめかせてくれたグループと人間を絶対に悪く言いたくないし、まず前提として誰も悪くない。
このnoteは、私がきっとこれからも人生の何割かを捧げるアイドルとどう向き合っていくかを整理するためだけのものだ。
アイドルとは
私の中でアイドルとは、歌、ダンス、演技、特技など、それらを用いて自身を商品として売る仕事だと思っている。
歌と歌声を売るのは歌手、映像作品と演技を売るのが俳優といったものとアイドルを区別するとするならば私の中ではこの表現が1番腑に落ちる。
生身の人間を、金を払って楽しみたいと思えるエンタメコンテンツにするために歌、ダンス、芝居、嘘を上手く利用して商品価値を引き上げていく。
でもそれだけではなかなかお金は回らない。これを読んでいる貴方にも、顔はいいし歌もダンスも上手いしと思うけどお金を払うほどでは無いと思うタレントは居るのではないだろうか。
そこで商品として購入してもらいやすくするため、疑似恋愛的な要素を加えてビジネスとして成り立たせているのがアイドルだと解釈している。
Hey! Say! JUMPにおける疑似恋愛的要素の例
・いつでもJUMP(ファンクラブ会員限定アプリ)内のビデオ通話風動画、通話風ボイス
・アイドル誌のインタビューや掲載内容(好きな女の子のタイプは?ファンとの恋愛はあり?)
・ライブ中の煽り、ファンサービス
私はアイドルに恋愛感情を持っているのか
そうだとも言い難い。しかし、そうでないとも言えない。
山田涼介と付き合えないのは百も承知だ。
オタクの虚勢と思われるかもしれないが山田涼介を第三者として観測したいだけで、それ以上の距離感は求めていない。遠くで輝いているからこそ手を伸ばしたくなるものだと思っている。
むしろ、山田涼介は実は人類の理想を固めて作られた虚像をプロジェクションマッピングのようなもので出力しているだけで、実は存在しないのではとさえ思う日もある。
その一方で、山田涼介と付き合ったら…などと考えた事は幾度とある。
雑誌などのインタビューにて好きな女性のタイプの答えが自分に当てはまっていて、ドキドキした過去もある。
そして、推しへの愛情と恋愛感情の乖離は年齢につれて明確化しているように感じる。
私が山田涼介に一目惚れした2012年、当時若干11歳。その頃から高校生頃まではライブへ行った際に山田涼介が他のオタクに目を向けていたり、ドラマ内でのキスシーンがある度落ち込んでいた。キスシーンのある最終話だけ見れなかったドラマもある。
確定的な証拠など列挙されてなくとも熱愛報道なんか出た日には機嫌がとても悪かった。
SNSでさえ山田涼介のオタクとは関わりたくない、言わば同担拒否のような状態になっていた時もある。
その頃に比べると今はキスシーンはむしろ見たい、同担大歓迎、かなり寛容になった気がする。
山田涼介と私の人生がHey! Say! JUMPというコンテンツ以外で交わる世界は無いと理解出来ているし、私は山田涼介の一挙手一投足を目の当たりにして感情を昂らせる事に楽しさを見出しており、その感情の昂りを求めてお金を落としていると思っている。
恋愛的なドキドキ感を手軽に味わえたり、好きな人が演技やダンスなどで評価されていくのを見届ける達成感を手軽に味わえる。言わば体験への投資である。
一方で今もまだ山田涼介が結婚する未来があるとして、私はそんな幸せな出来事におめでとうと素直に祝福することはできない。絶対に無理だと思う。
山田涼介以前に、私はまだ有岡大貴への祝福の5文字をSNSにも書けていないし、実際に口に出すこともできていない。
しかし祝福できない理由は、私の中にある推しへの恋愛感情によるものだけではないはずだ。
どうして推しの結婚が受け入れられないのか
推しの結婚を受け入れられないのは私の心の中にある推しに対する恋愛感情だけではないと思う。
私の中で見出した恋愛感情以外の答えはこれだ。
①無責任な愛を叫びにくくなる
彼氏が居たとしても、推し変を繰り返し過ぎても、どれだけお金や時間をかけようがかけまいが誰でも好きだと叫べるのがアイドルを推す楽しいところ。
缶バッジやアクスタを大量に並べて誕生日をお祝いしても、昨日まで違う推しが好きだったのに急に乗り換えて「かっこよすぎ!一生推す!」と口に出しても許される。
今のご時世、その対象が俳優であろうと芸人であろうとスポーツ選手や一般の自分の身近な人間に対してそのような推しという無責任な愛を叫ぶ事への抵抗感は、オタク文化の浸透により少なくなっていると感じる。
なので、これを読んでいるあなたがJUMP担、もしくはアイドルオタクでない場合、そのような恋愛感情を少しでも含む推しに当てはめて考えてもらえたらいい。
貴方は結婚した推しに、結婚前と同じように無責任な愛を叫べるだろうか。
しかも私が好きなのはアイドルである。アイドルではない推しとの決定的な違いは前述したように、アイドルという職業には疑似恋愛的要素が含まれているところ。
例えば推しのお笑い芸人が結婚しても「私は彼の漫才が好き」と変わらず愛を叫び続けられるかもしれない。芸人への思いに恋愛感情が乗っていようと、芸人から購入するのは漫才やコント、お笑いというコンテンツであり、疑似恋愛的要素を売っている訳では無いからだ。
しかし、アイドルを歌、ダンス、演技、特技など、それらを用いて自身を商品として売る仕事と認識している私は彼ら自身の一部を購入していると思っているため、誰かの夫になった男性の人生の一部を購入して、疑似恋愛的要素を見いだせる訳が無い。
そして、倫理的に誰かの夫に愛を叫ぶのは健全では無いと心のブレーキをかけてしまう。
無責任に叫べる愛、それを友達と共有するのが楽しかったはずなのに。
②過去の価値を下げたくない
かなり自己中心的な言い分だとは思うが何回も言っている通り、彼らは自分自身に恋愛感情というバフをかけて販売している商品みたいなものだと思っているので、雑誌やテレビのインタビューによくある「好きな女性のタイプは?」「デートするならどこへ行きたい?」と質問されて出た答えの言葉の先にいるのが私を含めたファンであると思ってドキドキすることが幸せだった。
それが結婚により、その質問の先に見えていたのは有象無象のファンではなく、もう出会っていた後の伴侶でしたと言われたように感じる。
彼を知りたくて、ドキドキしたくて買った雑誌がその情報ひとつで一切ドキドキしなくなって価値がグンと下がってしまう。
あの時のあの発言も、頭の中には私達じゃなくてあの子が居たんだ、だとか、冠番組が再始動したからオタクもみんなで盛り上げていかないとと思っていたあの時期には彼は結婚の覚悟を決めていたのかと、あのときのときめきに邪念が入る。ただ楽しかった過去にノイズが生まれる。
結婚したアイドルとの向き合い方
そんなのがわかっていたら私はこんなに長い文章で自分の気持ちをまとめない。
しかし、逃避し続けるわけにもいかない。今のところの私の中での答えを記しておく。
①ときめきを体験する趣味であると割り切る
アイドルを人間として見るのではなく、私自身がときめく瞬間を楽しむためのツールとして見る。私自身の生活を満たすために楽しんでいる趣味である。
彼のためにCDを積むのではなく、私の生活を満たすためのツールとしてCDを買う。
彼の仕事に繋がるようにTVerを回して再生回数を稼ぐのではなく、私の暇を楽しむのに最適なのが彼の番組である。
②無理だったら逃げる
逃げたっていい。推し変したっていいし都合良くなったら戻ってきたっていい。
推しも商品である以前に人間だ。あまりにも特別な感情を乗せやすすぎる。他の同じ趣味と比べると没頭しすぎてしまうのは致し方ないけれど、自分の暇を充実させるはずの趣味で自分の感情を負に蝕まれるくらいなら、離れたっていい。
どうしても推しから離れられない場合でも、私はいつだって推しを捨てて自分の人生を生きることが出来るマインドを持ち合わせているだけで、少しは気持ちが軽くなる気がする。
最後に
私は今アイドルの結婚に向き合えているのだろうか。
向き合えるわけないだろ!!!!!!!!!!!!普段ならドキドキするはずの事象、嫁のノイズでときめきが半減してる!!!!!!!!!
でも私はこのコンテンツ以外でこのコンテンツ以上のときめきを感じる事は出来ないと断言出来る。だから絶対にこの場所を去ることが出来ない。
だからもう少しだけ、この事実からは目を背けさせて欲しい。
有岡大貴さんへ
公式からの結婚発表まで情報が漏れなかったこと、結婚発表の仕方、生放送でのお祝いコメントの受け方、全て、全て文句が言えないほどアイドルとしての正解を貫いてくれてありがとう。
まだ祝福出来なくてごめんなさい。
抜け目が無さすぎる最高のアイドルです。だからこそ心が揺れた時もあったし、だからこそ没頭しすぎてアイドルとしての有岡大貴以外の顔をどうしても受け入れられない自分がいます。
今後も心からの祝福ができるかは分かりませんが、どうにか向き合おうと模索しています。
変わらずのご活躍を楽しみにしております。
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