1人でご飯を食べる

社会人になって4年が終わった。驚くほどにあっという間に時間は過ぎて、体感では一年くらいだ。
社会人4年目、私は鬱病になった。
仕事はお休みをもらったので、何が原因かを考える時間がたくさんあるからどうしても原因を考えてしまう。
原因は一つじゃないことは確かだけど、1人でごはんを食べ続けてきたこともその中の一つなんだと思う。
1人で食べるご飯はなぜあんなにもおいしくないのか。食べ物が不味いわけではない。
お腹は満たされても、他にも満たさなければならない何かが空っぽなのだ。

昔、母方のじいちゃんが生きていた頃、年末年始はじいちゃんの家に親戚一同が集まり、晩御飯ですき焼きを食べた。20人近くが食卓を囲んでいたっけ。日本酒を飲んで酔っ払いめんどくさくなっている親戚のおじさんのことをよく覚えている。

D君と朝まで話して、朝日が昇る頃に行ったすき家で食べた牛丼。眠過ぎて味がしねえなあ、なんてことを言っていた。

みかん農家のアルバイトのお昼に、みんなで食べた近所のスーパーのお惣菜のアジフライに梅干し、ほうれん草の胡麻和え、味噌汁、白いご飯。青空の下で、特別何も話していないけど、みんなで食べた。何か鳥の鳴き声が聞こえてきていたことを覚えている。

1人でごはんを食べ続けて、誰かとご飯を食べることが幸せなことだと思い知った。
誰かは誰でも良いというわけではない。
きっと誰にでもいる、大切な誰か。
めちゃくちゃ大切じゃなくても良いんだ。

ご飯を食べてお腹は満たされたのにどんどん気持ちが暗くなっていく。意味がわからない。
死ぬまでこんな気持ちで1人で飯を食い続けることを想像すると涙が出てきてしまった。

誰かとごはんを食べるなんて、普通のこと。
普通のことを手に入れるために、今はがんばれ。

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