採寸
じざいやでは ご希望に応じて
着物の仮縫いをすることがあります。
はじめてのお客様で マイサイズが決まってらっしゃらない方や
今までの着物のサイズがいまいちしっくりこない方・・・
仕立士さん同席で 仮縫いから微調整をして
着易く、着心地がよく、着姿の美しい
本当のマイサイズを追及します。
なぜ仮縫いまで?と思われるかもしれませんが
着物の寸法って 意外とアバウトで
着物の形になってさえいれば とりあへず着ることは出来るので
「こんなもん」と思ってる方が
お客様にも 仕立屋さんにも結構いるのです。
仕立て代を頂くからには 着物もオートクチュールです。
せっかくなら 予算の中で最高の仕立てを目指したいです。
うちの店に来る前に
ろいろな店でお仕立てした着物をお召しのお客様の中には
同じように採寸(もしくは自己申告)してるのに
仕立て上がる着物の寸法が違う・・・とおっしゃる方がいます。
その理由は いくつかありますが
1つは この頃は昔と女性の体型が違うため
寸法の割出し方も変えなくてはいけないのに
昔のままの割出をしている古い仕立屋が多いこと。
特に身幅(ウェスト・ヒップ)に対して
裄(腕)が長くなっているので
袖幅と前幅の関係でどうしても身幅も大きくしないと
裄が出ないこともあり得ますが
仕立て方の工夫である程度の調整ができるところを
仕立士が未熟で いつも同じ仕立方しか出来ず
その方に合った本来の寸法が仕立られない場合。
そして大手チェーン店では
洋服のS・M・Lではないけれど
お客様の採寸をしても3サイズの
○センチ~○センチは全て同じ寸法にされている、ということ。
これはチェーン店では 地域ごとの加工センターに
各支店からの注文品を集めて一斉に仕立に出すため
細かな対応をしていては検品などの手間が掛かるために
お客様からの指定がない限りは規格サイズで仕立てているそうです。
高いお金を払ってるのに
実はプレタの着物と同じサイズだなんて悲しいですよね。
昔は女並、という標準寸法がありました。
着物が日常着であった時代には
着物とは自分だけのものではなく
姉妹や親戚、近所の人にお下がりとして回したり
反対に 頂いたりが多く
自宅で解いて仕立直すのは当たり前のことでした。
誰にでもすぐ着れる寸法が重宝だったのです。
ちなみに、自宅で解くのが一般的だった頃には
着物の縫い目も解きやすい大らかなものでした。
着方もおおらかで 多少サイズが合わなくても
生活着ですから 着崩れも当たり前で平気だったのです。
現在の着物は一度仕立てれば
1,2度仕立て直せばいい方で
一度も解かれないものも多くあります。
ですから仕立代を頂くからには
完全オーダーのベストサイズに仕立て上がるよう
努力するのは当然だと思うのです。
それを検品の手間や効率化のために
お客様に着心地の悪さを押し付けるのは
心を無くしたこの業界の一端を見る思いです。
来年になったら 着物の採寸相談会をやろうかな、と思います。
個々のお客様のご相談はいつでもお受けしていますが
イベントとして時間予約制にして
お一人1時間。
採寸はもちろん、その方がどう着物を着たいのか。
どういう着物生活をしたいのか。
どういう必要で着物を着る場面があるのか。
それらを総合してのベストマイサイズを探します。
仮縫いまでしますと別料金になってしまいますが
採寸とご相談、マイサイズ割り出しで
当店の反物でお仕立をお任せ頂けるのでしたら
(お仕立にはお時間いただきます)
無料で。
反物持込の場合は 2000円ほどで、と
思っていますが 興味のある方いらっしゃいますか?