雨の日。
梅雨ですから雨が降るのは当たり前ですけど
この頃の雨の降り方は ちょっと異常な感じです。
日本の雨ではないみたい・・
これ以上の被害がどこにも出ませんように。
雨の日だと 着物でのお出かけはちょっと躊躇ってしまいがちですね。
雨の日のことについて書いたメルマガから・・・
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今年の梅雨は雨が少ないような気がしていましたが
やっぱり梅雨は梅雨。
なかなか傘が手放せませんね。
着物を着たい日に雨が降るとちょっとガッカリ。
着物を着るのを敬遠しがちですよね。
この頃の雨は ちょっと当たっても
すぐにシミになってしまうし
歩いていても泥跳ねが心配だし。
でも じざいやに来ると雨の日特典もありますよー
この時期になると毎年書いてるのですが
雨の日の着物についてお話しましょう。
一番楽な方法は
洗える着物を1枚用意してしまうこと。
この頃は洗える着物でも 見た目ほとんど判らないものが
沢山出てきました。
だけど 蒸し暑いのが欠点。
下着は必ず 天然素材のものにしましょう。
化繊の着物に化繊の襦袢だと 汗の逃げ場がなく
アセモになったりします。
だけど やっぱり天然素材が体に気持ちいい。
それならば まず、
縮緬やお召しは避けましょう。
雨に当たると 当たった部分が見事に縮みます。
雨の日は 柔らかものの着物は避けた方が安心です。
縮緬やお召しで雨の日に出かける可能性があるならば
ガード加工してしまうのも方法です。
ガードしてしまえば多少の雨なら怖くありません。
絹織りで雨に強い生地は 大島や黄八丈など生糸の紬です。
大島紬はちょっとの雨はガード加工しなくても
弾いてしまいますし 乾燥も速いです。
真綿の紬も 軽い雨なら弾きますが
一旦 水分を吸ってしまうとなかなか乾きません。
木綿や 季節によっては麻なら
濡れても処理が楽ですからお薦めです。
絹は水に弱い、と言われます。
繭の状態では水を弾きますが
糸にする段階で表面のセシリンをある程度除くことで
艶や風合いを得る換わりに
水を弾きにくくなってしまいます。
反物は着物として仕立てあがる以前に
友禅でも染めるにしても
紬で先染めにするにしても 何度も水やお湯を潜るのです。
ですから 着物自体が水に弱いのではなく
水に濡れた状態の絹糸が
外部の力に対して弱くなっている、ということなのです。
濡れた状態で無理な力を加えると
生地が傷む、ということです。
濡らしてしまったら 慌てず騒がず
なるべく早く脱いで 広げて乾かすようにしましょう。
今の季節なら 雨の日は
麻織物が絶対のお薦めです。
蒸れないし 雨に当たっても乾きが早いし
帰れば自宅で洗えますし。
雨の日は
着丈を出来るだけ短く着てしまいます。
おはしょりを二度揚げして
出先に到着してから ささっと下ろせばいいのです。
長くて透けないコートをお持ちなら
がばっと持ち上げて 帯に挟んでしまいます。
もちろん、紐があれば万全です。
雨コートを着ても
裾が濡れるのを避けられませんし
コートによっては色移りすることもあります。
雨コートといえば
いかにも、という感じの臙脂や縞のお母様譲りのコートを
お持ちの方も多いのではないでしょうか?
暑いし、重いし、化繊のものは やたらと暑いし。
そこでお薦めしたいのは
機械織りの大島や 先染めの座繰り糸で織ったような
シワになり難い シャッキリ系の紬を
防水加工してしまって
雨コート兼単衣コートに仕立てること。
4月~10月なら夏大島で作っても素敵です。
お勧めは 小千谷などの麻にガードをして作れば
軽くて雨に強く 自宅でも洗える優れもののコートになります。
濃い目のお色なら透け感も少なく、桜が散った後から秋風が吹くまで
長くお召になれてお得です。
衿は道行衿よりも 道中着衿の方が 濡れる面積が少ないです。
麻はどうしても 着姿が膨らみますので ウェストに紐を通すデザインだと
ウェストが絞られて スッキリしたラインになります。
雨コートにも塵除けにも単衣のコートとして簡単な防寒にもなるので
とても重宝です。
そして最後に足元。
雨草履、雨下駄、雨カバー、いろいろありますが
洋装のレインブーツとは違うので
どのみち濡れます。
換えの足袋を忘れずに。。。