家紋・加賀紋・オリジナル紋
いつもは店で紬や木綿の私でもお茶会では柔らかものを着たいと思います。
昨日のお茶会では しばらく着ない間に
柔らかものがみんな縮んで(!?)しまって
身幅が狭くて着られなくて
身幅が合うのは袷だという・・・
普段 紬ばかりなので こういう時焦ります。
秋は本来、ご結婚やお茶席、
お呼ばれや華やかな席も多い季節で
この時期には 紋についてのお問合わせも多くなります。
家紋は まず、平安中期頃から貴族の間で
様々なものを文様化する文化が起こりました。
そのうちに自分の持ち物である武具や調度品に
目印として文様を入れるようなったことが始りです。
次第に正装時の衣装や牛車などに
特定の模様を付け
その家柄ごとを区別するようになりました。
戦国時代には旗印として敵味方を分けるものとなり
江戸時代になると 武家の家柄を現すものとして
衣服につけることが定着しました。
それが力のある商家などに広がり
明治に全ての国民が苗字を持つようになって
一般化し普及して現在に至ります。
家紋をつけると その着物の格が上がります。
紋の数が多いほど格も高くなります。
ですから1つ紋の訪問着より
3つ紋の色無地の方が格は上になります。
色無地に3つ紋をつけると準礼装となりますが
お茶会や会食、学校の行事などには 1つ紋で充分です。
3つ付けると かえって着る場所が限られてしまいます。
家紋に対して 洒落紋(伊達紋)と呼ばれるものがあります。
じざいやは こちらが得意です。
これは 家紋のように格を付けるものではありませんが
無地の着物などに
紋の位置に柄を足している、という感覚です。
自由な発想で 愛犬や愛猫、ご自分の誕生花や
身の回りの好きなモチーフで
様々に楽しめる手軽なお誂えです。
着物を自分のものとして
楽しんでいらっしゃるご様子が伺えて
ご依頼を受ける側もとても楽しいご相談です。
洒落紋と加賀紋を混同されることが多いですが
本来の加賀紋とは300年以上も昔から
加賀地域にのみ伝わる特殊な家紋です。
それは
1.定紋の回りを模様が囲む飾り紋で
直径が1寸2分(約4,5センチ)の5つ紋。
2.模様は糸目糊が施された友禅で
華やかな草花、吉祥柄が多い。
3.布地は加賀絹の黒地で上流階級の武士、
もしくは町民の中でも風流人の着物、羽織に用いた。
とされています。
つまり 加賀紋は家紋の回りを美しく装飾したもので
正式な席でも家紋として通りますが
洒落紋は 文様の一部として扱われ
家紋の替りには使えませんのでご注意ください
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