コプト柄ってどんな柄?
八寸帯に良くある柄で コプト柄、と呼ばれるものがあります。
エキゾチックで不思議な模様が多く
更紗小紋や大島紬などに合わせると面白いものです。
壁画のようだったり 正体不明の動物がいたり
コプトとは 一体何なのでしょう?
コプトとは ギリシャ語でエジプト人のことを指す言葉から転化した
呼び名です。紀元前3000年頃より約2600年も続いた
エジプト文化は 砂漠とナイル川による厳しい自然環境の中
多神教を基にした高度なものでした。
コプト裂、と呼ばれるのは
綴れ織を主として輪奈織や刺繍、ローケツ染めなども含み
多くは亜麻や大麻、羊毛を材料に製作された織物です。
初期には貝紫の赤紫~褐色が多く用いられましたが
次第に黄色、緑、藍などを取り入れ多色の美しいものになっていきます。
柄の題材も 初期にはギリシャ神話の人物や舞踏風景が多く
またキリスト教的象徴である十字や鳩も多く用いられます。
文化交流につれて ササン朝ペルシアの影響が入ると
幾何学的な模様が増えて葡萄蔓や唐草が現れます。
洗練された優美さはないものの
いづれシルクロードを渡り
日本で有職文様となる獅子狩り紋や 唐草の原点を見ることができます。
遠い昔の異国の模様が
今の日本の着物の上にあるなんてなんだか凄いですね。