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伝統工芸マーク

着物にはいろいろなラベルが付いていたりします。
それぞれの産地組合で付けるもの、織元で付けるもの、
個人作家が付けるもの、問屋が付けるもの・・・様々ありますが
全国どこで作られても同じシールなのは(商品の名称と組合名は違いますが)
金色に黒で「伝」の文字と赤い丸が描かれたものです。
目立つのでご覧になられた方はすぐに判りますね。
一般に伝統工芸マークと呼ばれていますが
正しくは「伝統的工芸品」マークで 法律で以下のように定められていま。

 1.主として日常生活に使われるもの。
   ・・・・・生活に密着して一般家庭で使用されるもの。

 2.製造工程の主要部分が手作りである。
   ・・・・・全てが手作りでなくても構いません。
    品の特長や持ち味を継承する工程は手作りあることが条件です。

 3.伝統的技術または技法で製造されるもの。
   ・・・・・伝統的とはおよそ100年以上の継承を意味します。
   しかし昔からの方法そのままではなく 製品の特長、持ち味を 
   変えないような改善、発展は差し支えありません。

 4.伝統的に使用されてきた原材料であること。
   ・・・・100年以上同じ材料で作られてきたことが必要ですが
   既に枯渇したものや入手が著しく困難になったものについては
   持ち味を変えない範囲での転換は発展とみなされます。


 5.一定の地域で産地を形成。
   一定の地域である程度の規模の製造者がいて
   地域産業として成立していることが必要です。

 現在、207の品目が指定されています。 
 呉服関係では織物で33、染物で11品目。
 他には陶器や和紙、仏具や金工品、人形やうちわ、将棋の駒など
 多岐に渡っています。
 全国の従事者は約10万人ですが(うち伝統工芸士は約4,500名)
 その内の30歳未満は6,4%だそうで
 かなり厳しい数字ですね。

 うちの店には個人の作家さんや 織元でも組合に入っていなかったりで
 「伝」マークのついていないものがほとんどなのですが
 後継者が育ってるところはほとんどありません。
 一部の呉服屋の煽り文句のようでイヤなのですが
 本当に絶滅の危機に瀕しているのが現状です。
 
 伝統的工芸品の定めにもあるように
 日常に使われるもの、なのですから
 もっと日常な 当たり前の 普通のものとして
 着物が認識されるようになって欲しいものです。
 

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