
【イベント】人間拡張技術×遠隔就労をデザインする ~ 酪農分野への先端技術導入の現在と未来~ を開催しました!
こんにちは、株式会社ジザイエ(JIZAIE)の本宮 (Motomiya) まりです。
いつもジザイエを応援して下さっている皆様、ありがとうございます!
リアルタイム遠隔就労支援プラットフォーム『JIZAIPAD』を開発する株式会社ジザイエ(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:中川純希、以下「ジザイエ」)は、12月1日(金)に日本バーチャルリアリティ学会 人間拡張研究委員会主催、株式会社ジザイエ協賛にて、人間拡張技術×遠隔就労をデザインする イベント ~ 酪農分野への先端技術導入の現在と未来 ~ を開催いたしました。
今回の考察テーマは、人間拡張技術を用いた遠隔就労によって、酪農現場のどんな課題が、どのように解決できそうか? という私たちには大変関心深いテーマではありますが、正直申し上げて・・・こんな未来的なコアなテーマで、イベントが成り立つのだろうか?・・・と心配しておりました。
しかし、難しいボールをホームランにしてくださったような北海道大学の田中孝之教授のご講演、JA道東あさひ営農部の山岸部長のご講演、さらに対談時に追加ご登壇いただいた株式会社門崎の千葉社長、森永乳業株式会社経営企画部の鴨志田 真弓さまのおかげで、大変意義ある会となりました。
立派なご登壇者の方々のおかげで会場参加者だけでなく、オンライン参加者の皆様にも有意義な時間となりました。会場参加者の方からはご質問を頂いたり、懇親会でさらに掘り下げたお話をしていただいたりして大変喜んでいただけました。
なお、富士技術出版株式会社の大野桃果さまが、雑誌英文学術誌 Journal of Robotics and Mechatronics 掲載のための取材をして下さいました。
皆様からのご協力、ご参加、未来の取り組みへのご賛同いただきましたこと、重ねて心より、感謝申し上げます。誠にありがとうございました!
それでは、ご都合悪くてご参加いただけなかった方々のためにもイベントの様子について以下に、簡略化したものとなってしまいますが記したいと思います!
まずは、いつも大変お忙しい中、イベント開催を支えてくださっている栗田先生から開会のご挨拶を頂戴いたしました!
日本バーチャルリアリティ学会 人間拡張研究委員会から開会挨拶 栗田雄一 教授

広島大学大学院先進理工系科学研究所 教授 栗田雄一 先生
続いて、第1部のご講演が始まりました。
第1部 ご講演 登壇者
・(酪農現場側からのお話)JA道東あさひ 営農部 部長 山岸稔 氏
・(研究者) 北海道大学 大学院情報科学研究院システム情報科学部部門 教授 工学博士 田中孝之 氏
最初に、山岸部長のご講演を頂戴しました。

【ご講演】酪農現場の課題と展望 JA道東あさひ営農部 部長 山岸稔 氏
ー 技術導入で解決できたこと、できてないこと ー

最初にJA道東あさひのご紹介がありました。


JA道東あさひ管轄の年間生乳生産量は、約41万トン、1リットルパックの牛乳4億本超え、日本の生乳生産量の5.3%をこの地域で生産されているとのこと。
次に、日本の酪農家戸数推移(現在も1日に4戸が離農している状況、主な要因は経営者の高齢化や後継者不足)と生産資源の高値による経営圧迫についてご説明いただきました。
しかし、JA道東あさひの生乳生産量・販売事業取扱高や経産牛1頭あたりの年間乳量が増加していて固体管理技術が上がっているとのこと。
酪農経営は小規模の家族経営が主体で、労働時間も多い。JA道東あさひ地域での飼育牛舎形態は、タイストール牛舎が66.2%、フリーストール牛舎がその他を締め173戸、これは日本酪農全体を見ても同じようにタイストール牛舎の方が多いそうです。
一方で、畜産クラスター事業施設整備状況は、フリーストール牛舎の90%に達していて、「搾乳ロボット導入」の増加に伴って生産性が向上。酪農家が休むことなく朝・夕に搾乳を行う以上に搾乳ロボットで多搾乳ができることもあり、今では140台の搾乳ロボットが稼働していて、北海道全体での搾乳ロボット稼働数は1,000台以上となっているそうです。
搾乳ロボットは、2017年から山岸部長らが継続的に農林水産省ほか関係者と協議を続け導入の運びとなったロボットで、カメラで乳頭を認識しブラシによる洗浄を行いミルカーが装着され搾乳開始されます。1日の最大搾乳回数は180回ものスペックがあるそうです。会場ではロボットが搾乳している様子の動画を見せてくださいました。
その他のICT機械設置状況もお話くださいました。

JA道東あさひのこれまでの取り組みは、機械以外にも良質粗飼料の確保に向けた草地更新の実施、搾乳ロボットや自動給餌機など省力化や労働負担の軽減、育成預託事業、酪農ヘルパーやコントラクターなど様々でそれゆえ生産量を向上されたとのことでした。

続いて搾乳ロボットの課題についても教えてくださいました。

それは、搾乳ロボット年間維持費(メンテナンスや部品交換など)が高額なこと、CP操作に不慣れな年齢の酪農家には導入が難しいことだそうです。
・日本の酪農の未来について
日本の酪農の未来予測については、数の減少と大規模化(北米型酪農)、ICT化、温暖化による飼料作物の変更、搾乳ロボット導入率増加、ゲノム編集技術による更なる効率化を挙げてご説明くださいました。

最後は、難局を乗り越える! とのまとめをして下さいました!
とても分かりやすく具体的なご講演で、搾乳ロボット動画も取り入れてご説明頂き、酪農現場の課題と展望を知ることができました。
会場からも大きな拍手が起こりました。山岸部長に心から感謝申し上げます。
次に、北海道大学の田中孝之教授からご講演いただきました。
【ご講演】酪農に導入可能な遠隔化技術の研究と未来 北海道大学 大学院情報科学研究院システム情報科学部部門 教授 工学博士 田中孝之 氏

まずは人間拡張技術についてや田中先生のご研究の一部について教えてくださいました。田中先生は、ヒューマンセントリック工学研究室や軽労化研究会を率いて、人がいつまでも生きがいを持って働き楽しく暮らせる社会を目指して真摯に研究を積み重ねていらっしゃいます。

搾乳作業のデジタルツインによる省力化・軽労化に関する実現可能性検討の研究


今回のイベントのテーマに合わせて田中先生は、人間拡張技術の酪農分野への導入の未来について教えて下さいました。
・経験共有型 セミ遠隔就労の未来図
経験共有型セミ遠隔就労では、作業環境のデジタル化からはじまり、作業者情報の計測、そして作業管理の効率化が可能になる道筋や、熟練してない人も作業しやすくなることなどが理解できました。


ウェアラブルデバイスによる経験共有によって現場作業がデジタル化できることが、未来の遠隔就労への一歩となりそうです。

田中先生のご説明により、経験共有型セミ遠隔就労など、未来的な働き方が酪農分野においてもできると感じました。
しかし、そのためには、それに適した牛舎やロボットの導入、街づくりなどから行う必要や高額な資金が必要であると感じました。
酪農分野の現在の課題と照らし合わせると、遠隔就労が課題解決するまでの道のりは遠そうですが、田中先生のご講演から、最先端の科学技術の発達が描く未来を覗くことができ、働く人の大変さがどのくらい軽減されるのかを想い浮かべることができました。
大変貴重なご講演を頂きました。会場からの大きな拍手も起こりました。
田中先生、誠にありがとうございました。
休憩時の会場からの反応、そして第2部【対談】へ
田中先生のご講演後、休憩をはさみ、会場では3色の付箋( 黄色:質問、ピンク:プラスアイディア、水色:懸念点を書いていただき集めました。
プラスアイディアとしては、「大企業の従業員による週末酪農」など。質問としては、「設備投資や技術の学習のコストに見合うようにするにはどのような課題がありますか?」など何枚もの付箋が集まりました。
休憩をはさんで第2部、対談形式が始まりました。
第2部の対談形式では、ご登壇者に 株式会社門崎の千葉社長、森永乳業株式会社経営企画部の鴨志田 真弓様が加わって下さり、ファシリテーターをジザイエ代表取締CEOの中川が務めました。
長くなりましたので、その様子は、酪農イベント【第2部】として引き続き noteに掲載いたします。

今後もイベントを行っていきます!
ジザイエは、先端技術を社会実装するための産学連携イノベーションイベントを根気よく開催して参ります。
下記にも表示しますのでチェックしてください。
ぜひお越しください、お待ちしております!
https://jizaie.peatix.com/
………………………………………………………………
ジザイエは、一緒にミッション「すべての人が時空を超えて働ける世界へ」の実現を目指す仲間を採用してます!
詳細は、以下URLよりご確認をお願いいたします!
JIZAIE 採用情報