自分の弱さに寄り添う言葉
どこかに、弱い自分を曝け出すことを戸惑う自分がいた。"強く在れ"という縛りが無意識にあったんだ。
小さい頃は、すぐに泣いてしまうような感受性の強い子だった。なので、「すぐ泣くな」と「やられたらやり返すくらいになれ」ということを母からよく言われたのを覚えてる。特に母には厳しく育てられたのだ。
その言葉のすり込みと、どこでどう拗れたか"弱さ"を持つこと、見せることが、良くないことみたいに思っていたんだと思う。いつも気丈に見える振る舞をしていた。そんなアンバランスさの中でずっと生きてきて、きっとそれが崩れるのは時間の問題だった。
母が余命宣告された時、私を心配してくれた友達が連絡をくれた。
「私が泣いても仕方ない」そんな風に私は言ったんだと思う。その時にその子が言った。
「また強くなるね……」
前後の会話はもうあまり覚えてないのに、その言葉だけが忘れられず、ずっと心に突き刺さっている。
本当は、強く見える振る舞いなんてしたくなかった。
いつまでもメソメソ泣いて、哀しみに浸ってたかった。
母の死は、もう過ぎたことだけど、悲しい時は思い切り泣いたり、健やかに生きていくためにはどんな感情も必要だよね。
本当の強さって、どんな自分も感情も受け入れて、それを見つめて、自分の人生に責任を持って前を向いて歩いていくことだと、今なら分かる。
あの時の自分に、これからの自分に、自分の弱さに寄り添う言葉を丁寧に紡いでいきたいと思う。