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不動産投資は恐ろしい

「不動産投資は怖い、恐ろしい、難しい、騙される」世間のイメージはこんな感じでしょうか? 不動産業界に20年近くいますが、ある意味正解です。半端な知識で不動産投資をすることは、ローププレイングゲームでいうと、レベル1の主人公が何の装備も付けずにいきなり冒険の旅に出るようなものです。まずスライムを倒して経験値を稼いでなどという甘い世界ではなく、いきなり中ボスクラスが出てきて一撃でおしまいです。

最近もかぼちゃの馬車事件が報道されたように、エリート社員や公務員などの知識に自信のある人たちが大勢騙されて、数千万円から数億円の借金とガラガラの不動産だけが残るという悲惨なものでした。私達業界人からすれば、明らかに素人を食い物にする詐欺スキームでした。

どのあたりが怪しいのでしょうか?

不動産投資を単純化すると、賃貸アパート(シェアハウス含む)を建てる場合
①金融機関からお金を借りて土地を買い建物を建てる
②建物を入居者に借りてもらう
③入居者からの賃料から「必要経費」「固定資産税等」(以下「必要経費等」)を支払う
④さらに金融機関からの「借入金」を毎月返済する
⑤お金が残れば利益となり、税金を納め、税引後利益があなたの手元に残る

具体的に数字すると、例えば、土地が3,000万円、建物が7,000万円で合計1億円、賃料収入が月額70万円の場合
①1億円を借りて土地を買い建物を建てる
②建物を入居者が気に入ってくれて満室になる 月額70万円の収入
③仮に必要経費等が20%(14万円)とすると70万円−14万円=56万円が残る
④金融機関の借入条件が、融資額1億円に対して借入期間25年、金利2%の場合
 毎月の返済額は42万円(元利金等払い)となる(残り14万円)
⑤この物件からの年間利益は168万円となり、ここから税金を支払う。

かぼちゃの馬車事件はこの①から⑤の中のどこに問題があるのでしょうか?

①土地建物の価格が1億円というのは妥当なのか??
特に建築価格が相場の2〜3倍のケースがありました。建築費の7,000万円の内、実際の建築費が3,000万円だとすると、かぼちゃの馬車が差額4,000万円を儲けていたわけです。

レオ○○スや大○建○なども、多かれ少なかれ同じ問題をはらんでいます。収益不動産の問題点の第一が建築費が高すぎるということなのです。
私達、プロの不動産屋は、絶対にこのような高い建築費は払いません。多くの建築業者にあたって少しでも安い業者を探します。

②この物件は本当に満室になり70万円の収益を20年以上にわたって出し続けることができるのか? 
オーナーは莫大な借金をしてこの事業を行うため、これは死活問題です。この問題を解決するため、かぼちゃの馬車側が賃料を保証していました。オーナー側は、収入が保証されて安心してしまい、肝心の建築費や入居の斡旋を全て任せてしまいました。実際には、かぼちゃの馬車が倒産し、「全く収益性のないガラガラのシェアハウス」と「莫大な借金」が残りました。

これは極端な例ですが、レオ○○スなどでも「保証された賃料が減額されてしまう」ことが社会問題になっています。

個人的には家賃保証が100%悪いとは思いません。重要なのは、「建築した建物が数あるライバル物件と比較したとき入居者に選ばれうるものなのか?」「その物件にその賃料であなたなら借りますか?」ということです。

安心のために家賃保証を受けるのであれば、「もし家賃保証会社がいなくなっても、空室を自力で埋める自信があるか」と自問してください。「YES」なら家賃保証を検討しても良いと考えます。ただそうであれば賃料の10〜20%が差し引かれる家賃保証をする意味がないような気がしてきます。

不動産投資は、高額な投資ですので中途半端な知識で行うべきではなく、十分な知識を吸収してから行うべきです。例えば
 ・不動産投資に関する書籍を10冊以上は読む
 ・ネットで情報収集する
 ・経験者から話を聞く
 ・不動産会社に就職してしまう(私はこれでした!)
 ・自己資金で買える程度の物件を購入して経験値を高める

人が作った仕組みに乗っかるのではなく、自分で仕組みを組み立てることが、成功のコツであるということは、どの業界でも同じではないでしょうか?


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