"万国旗"に思うこと
通勤途中の商店街で、空をふと仰いで思う。
「"万国旗"じゃないじゃん」
その商店街では街灯に万国旗を張り巡らせていた。
お馴染み日の丸に星条旗、ユニオンジャック、トリコロールといった、いわゆるG7、西側先進国に何故かスウェーデンを加えた8か国のみというラインナップだ。
調べてみると、8か国という数は市販されている万国旗のなかでも最も少ない部類のようだ。単色の三角旗も混ざっているのをみるに「ああ、安いのを選んだんやろなぁ」と。
あらためてよく見ると、すべての国旗に白もしくは黄色の余白がある。なるほど、明るい地色に2色以内の色数で印刷できる国を選んだのだろう。ドイツ以外に黄色ベースで印刷できるのがスウェーデンだった、というわけだ。
ワタシの思い込みなのかもしれないけど、万国旗って「世界中どこからの来客も歓迎する」ってニュアンスが込められたものではないか。
それが極端に偏ってしまうってのは、ともすれば「この国旗が属するグループだけに肩入れするよ」という排他的なメッセージとして受け取られる余地を残してしまう。
ただの賑やかしの小道具に神経質な物言いかもしれない。
ただ、この商店街にはインドやトルコ、台湾などの料理店、ハラルフード店も軒を連ねている。そこで働く外国人の方々は、この「万国旗」をみて何を感じるだろうか?
街のいち商店街の限られた予算で、国連加盟国全掲載の万国旗なんて買えないのだから、悲しいけれど省かれる国旗は出てくる。それは仕方ない。
ただ、現地にそういう文化があるのかは知らないけど、海外旅行で見る万国旗に日の丸がなかったら、ワタシは寂しい気持ちにはなるだろう。
いつも通る商店街にそんな思いをする外国人の方がもしいたらと想像すると、少しやるせない気持ちになるのである。
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