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キハ101をもう一度

山形県にあるJR「左沢線」。さて、何と読む?

正解は「あてらざわせん」。山形県のローカル線で、難読地名として有名だ。
県庁所在地の山形から寒河江を経て県のど真ん中にある左沢までを結ぶ。

ここでしか見られないキハ101というディーゼルカーがある。

JR東日本が発足してすぐの頃にローカル線向けに開発した、四角い顔のディーゼルカー・キハ100系と呼ばれるシリーズの一員だ。

ただ、キハ101は田舎のディーゼルカーによくあるような、4人1組が向かい合う形のいわゆるクロスシートがない。
むしろ東京の電車のような長椅子(ロングシート)だけでトイレもなく、車内は大広間のようになっている。

だから他のキハ100形の兄弟とは違う「101」を名乗っている。
外観のカラーリングも全く異なり、純白と爽やかなライトブルーをまとう。

ワタシはフリーランスのモデラーをしていた若い頃、このキハ101をNゲージで作ったことがある。

気軽に切った貼ったができるグリーンマックスのキハ110形のキットがベースで、実車と違う形のプラグドアもそのままに、全長を単純に短く詰めて、青白に塗りなおして、DT50台車に交換した古い17m級動力ユニットをドッキングさせて完成!ってな感じで。
「FRUITS LINER」のロゴもGMシールの余りと市販インレタで上手にでっち上げたのですよ。

とはいえ、たくさんの実物と違うところを見て見ぬふりをしていたので、いつか完全版をもう一度作り直したいと思い続けている。
実は5年ほど前、TOMIXからキハ100が製品化されたときに一度トライした。アウェイ山形戦の観戦ついでに実車取材もしている。

その姿は近くて遠かった。

キハ100のドアの形は昔のキットと同じで、これも変えなければ意味がない。窓周りのディテールも弄らないとキハ101のカタチにならない。

何より昔と違い、今度は全長を少しだけ長く伸ばす必要があった。しかしながら、キハ100の構造上、車体だけ伸ばしてハイ終わりとはいかない。
ライトユニットが動力ユニット/床板の導電板と一体構造となっているので、光源の位置を動かすのが簡単でないとわかって、手が止まっている。

諦めきれなくてグリーンマックス完成品のキハ110-200番代を買ってきて、縮めることも企てているのだけど、方向幕の位置とか悩みは尽きない。

カタチは似ているから安易に近づいてしまうのだけど、しっかり作ろうとすると相違点がありすぎて頭を抱える。
まさに「似て非なるもの」。でも、だからこそチャレンジしたくなる題材であるともいえるのである。

色を剥がされて、切り刻まれて、それでもまだ「残骸」とは呼びたくない
プラスティックの塊たち。いつかキハ101のカタチにしてみたい。

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