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秩父鉄道のカラフルなデキ

機関車の重連をみて「キュート」という感想を抱くのは、これが最初で最後かもしれない。

タイトルカットの写真は、2021年に秩父鉄道で見た光景だ。
「パレオエクスプレス」が東京五輪の聖火とリレー走者を乗せて走った。牽引したのは、いつもの蒸気機関車ではなく、オリンピックシンボルをイメージする5色で彩られたこの5両の機関車だったのだ。

カラフルではあっても、けばけばしくはない。それぞれが適度に鮮やかさを抑えたやわらかな色。思わず沿線の花を絡めて撮ってしまいたくなった。

今年、この一員である黒いデキ201がNゲージで発売される。
そういえば他の色の機関車って製品化されてるんだっけ?と疑問に思い、秩父の電気機関車の製品リストを作ってみた。メーカーは全部マイクロエースである(※1)。

秩父鉄道に所属する電気機関車のNゲージ製品リスト (※デキ202は譲渡後の姿で製品化)

2025年1月現在、聖火リレー列車の機関車は表中の太字で表した3両だ。

残るはデキ500形の緑(505)と赤(506)の2つ。あと一息と期待したくもなるけど、そこには高い壁がある。

デキ500形は1973~1980年の長い期間にちょっとずつ作られた機関車だ。その度に改良されているので、7両しかないのに4通りの仕様となってしまっている。

ライトケースや窓の大きさ、テールライトの場所が製品化済みの501・502と違う。さらに505号機と506号機の間に違いがあるのも、メーカーが製品化を考えるに悩ましい点だろう。

すでに製品化されているデキ501。オデコのライトケースや運転台窓が小さい。
テールライトはデッキの上にある。 2021.7.7 武川駅
緑色のデキ505。運転台窓が大きくなってお目々パッチリ。
ライトケースもひと回り大きくなっている。 2021.7.7 武川駅
赤色のデキ506。テールライトがボディに埋め込まれている。 2021.7.7 武川駅

悩ましいといえば、5両全部にモーターが入るのもNゲージの運転という点では困ったところ。モーターなしの車両も設定するとなると、やっぱり「重連セット」的な売り方が望まれるのだろうけど、五輪絡みだと権利関係でいろいろと面倒くさいかもしれない。

それでも、何とかカタチになって欲しいなぁと願わずにはいられない。
だってこのカラフルな列車、貸しレイアウトとかで走らせたら絶対に映えるやん。

注釈

※1:実は昔からワールド工芸などの金属製モデルもあるのだけど、本稿ではプラ製完成品に絞るため割愛。

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