【看護師歴14年】中堅も悩む!苦手をなくす申し送りのコツ
看護って楽しいけど、先輩からの無言の圧があったり、絶対失敗できないから緊張することの連続ですよね。
私が看護師をしていて特に苦手なことは「申し送り」でした。
リーダーはベテラン看護師、何か変なことを言ってしまったら突っ込まれてまた凹む…。
そのアドバイスは自分にとって有益だとわかっているけどなるべく指摘されたくないのが本音ですよね。
私の病棟は途中から申し送りが廃止され、紙に記入することになったのですが、口頭ではなくなった分、簡潔に伝えるという技術が必要なりました。
また、緊急性があるかどうかの判断も個人に求められるようになったと感じました。
「申し送り苦手なんだけどどう改善したらいいかわからない」
「苦手な先輩に送るの怖い」
「あの先輩のようにスマートに申し送りしたい!」
こんな悩みがあるあなたに!
今回は申し送りのコツと今日から使えるテクニックを紹介していこうと思います。
申し送りが必要な理由
そもそも申し送りが必要な理由はなんでしょうか?
私たち看護師はチームで患者へ看護を提供しています。
チーム内でやることが違ったり、患者の希望を把握していない看護師がいたらどうでしょうか?
患者への利益を最大化することを目的としているのに、患者からの信用を失いますよね。
また、申し送りをすることで大きな事故の原因となる「伝達ミス」を防ぐことができれば、看護師にとっても有益となります。
申し送りは患者の利益を守るため、また自分たちを守るためにも有効な情報伝達手段なのです。
申し送りが廃止になりつつある背景
申し送りが廃止になっている病院もありますよね?
実際に大学病院や基幹病院では申し送りを廃止に向けた看護研究が行われています。
参考:申し送り廃止までのプロセス
申し送りは大切!と言われてきたけどなんで?と思われる方もいると思います。
今医療業界が申し送り廃止の方向に動いている背景には「時間外労働の削減」と「申し送りによる業務の負担増」が考えられます。
申し送りの問題点として
・申し送り時間が長くベッドサイドへ行くのが遅くなる
・リーダーが忙しく、申し送りが終わるまで業務が止まる
・内容が看護記録と重複している
などがあります。
しかし、申し送りが廃止になったとしても、ミニカンファレンスや重要事項の伝達までなくすことはミスの原因となりえるため、完全になくすことは不可能だと言えます。
チームやペアナーシングで患者看護を行ったとしても、チーム内のすべての看護師がすべての患者の情報収集をするのは非効率的であり、不可能です。
分担で患者を受け持つのであれば、やはり情報の伝達は必須になります。
直接的な申し送りはなくても、紙に記入したり、看護記録に記載する作業はあるため、情報を簡潔に整理しながら伝える技術は必須ではないでしょうか。
そういう観点からも申し送りの技術は習得すべきスキルであると言えます。
申し送りが苦手なワケとは
では私たちはなぜ申し送りに苦手意識があるのでしょうか?
ひとつは申し送りの必要性を痛いほどわかっているからだと思います。
自分がもし伝え忘れてしまったら、患者さんの害になるかもしれないと考えると緊張してきますよね。
私は患者さんに不利益なことが起こった時、責任は伝え忘れた私にのしかかってくると思うと動悸がする!と思ったことも多いです。
口頭での申し送りは伝達ミスが多いため、なるべくしないように心がけようという取り組みもあり、申し送りの難しさがわかります。
さらに、「申し送りをうまくできないということ=自分の知識不足や観察不足を嫌でも認めなければならない」という点も苦手意識のひとつであると考えられます。
例えば「~さんの肌が乾燥していました。」と申し送ったとします。
すると先輩は「部位はどこ?」「どの程度の乾燥?」「この患者さんは軟膏の処方がなかった?」「症状はないの?」「疾患との関連は?」などさまざまな質問を返してくることはありませんか?
先輩はもちろん知識や経験があるため「乾燥」ときいてぱっと関連する情報が思いつきますが、「自分は気がつかなかった…観察不足だ…」などと技術不足を痛感するのではないでしょうか。
ここで学習し、次回からはないようにしようと思いますが、特に突っ込まれることが多かった日の申し送りは落ち込みますよね。
有意義な申し送りのためにできることは
基本中の基本!情報収集をしっかり行おう
朝患者さんの部屋へ行く前に、患者の前の日のバイタルや日頃の症状、今後の方向性などの情報を収集しますよね?
その時からすでに申し送りへの準備は始まっています。
結論からいうと、情報収集時には必ず看護計画を見るようにしてほしいのです。
「そんな当たり前のこと…」と思われるかもしれませんが、自分の行動を思い返すとしっかり見ていないことも多いのではないでしょうか。
大前提として、私たちは看護計画に沿って行動していますよね。
学生の頃の行動の指針もすべて自分が立案した看護計画に沿っていました。
その看護計画が立案されている意味を考えることで、患者のニーズが把握でき、看護師内で共有すべきことが自ずと見えてくるのではないでしょうか。
収集した情報から観察する項目を自分のメモに記載し、ベッドサイドで確認すると、観察漏れがなく、スムーズな業務にもつながります。
今日の自分の担当患者のことは自分が一番わかっているいうくらい情報収集をすると、何を申し送るべきかわかってくるはずです。
申し送り中に気をつけること
ここで注意するべきことは、はっきりと話すことです。
自信がなさそうに話したり、言い淀んでしまうと相手がイライラしてしまうことも多いですよね。
先輩に何か言われて答えられなかったとしても、「あっ…見てませんでした…」と言うのと「また後で報告します」と言うのとでは反応が全く違います。
話し方は意識しなければ変えられないところなので、自信がなくてもないように見せない話し方を意識してみましょう。
また、不要な項目を申し送ってしまい指摘される方もいるのではないでしょうか?
不要な項目とは、
・カルテに記載がすでにある項目
・リーダーから指示された事柄
・変わりがない項目
・バイタルなど基本的なこと
・自分の勤務帯で完結すること(急遽実施した処置は除く)
などです。
リーダーももちろん情報収集を行っています。次の時間帯の看護師も同様です。
申し送りが長くなりがちな原因は不要な報告まで行っているからとの報告もあります。
できるだけ簡潔に必要な項目だけ伝えられるように情報を整理してから申し送りに臨みましょう。
上記の申し送るべき項目も参考にしながら申し送りの項目についても整理してみましょう。
申し送り後の振り返り
申し送り後には、リーダーに質問された項目をチェックしましょう。
注意された項目を何日か見ていくと、自分が忘れがちなポイントがわかってきます。
私はそもそも情報収集が足りてないことが多かったため、情報収集の仕方を見直したところ、申し送りでの指摘が少なくなりました。
申し送りがはきはきしてわかりやすく、得意そうな先輩もはじめは指摘を受けてきたはずです。
でもそこで落ち込むだけではなく、どこが悪かったのかを振り返ることで申し送りの技術が上達してくるのではないでしょうか。
ここはチェックしよう!申し送るべき項目とは
申し送りの内容は各患者によって異なるものであると思いますが、基本的な項目は変わりません。
例えば、「朝申し送りで聞いたこと」は必ずチェックして、リーダーに報告しますよね。
ここでは、基本的にチェックしておきたい項目をピックアップしてご紹介します。
・新しい処置が発生した事柄と理由(鎮痛薬の内服時間、特に皮膚系は変化が多い)
・前勤務帯から変化したこと(ADLなど)
・前勤務帯で変わったことの効果や結果(内服開始後の変化など)
・継続して観察しているものや観察すべき事柄(疼痛スケール、排尿量・排便状況など)
・次の勤務帯でやる必要があること
上記のことを申し送れるように練習するだけでも「申し送りができる人」に一歩近づけるのではないでしょうか。
自分のフリーシートにメモをしておき、申し送り前の情報整理時に思い返してみましょう。
もう申し送りは怖くない!
申し送りが上達すると、情報の整理の仕方、簡潔に人に説明する能力などさまざまな能力が身につきそうですよね。
そしてコツをつかんでしまえばそれは一生使えるスキルになるのではないでしょうか?
あなたも申し送りに対する苦手意識を克服して、自分なりのわかりやすい申し送りを行えるようになりましょう!
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