一家団欒

「食事中の会話は行儀悪い」と教えられた人も多いかと思う。
父は食事中は話はしなかった。大事な話は食前か食後だった。
反対に母は食事中にその日の出来事を話すように教育した。
日本人は元来、食べ物の入った口の中を見せる事は良くないこととしていた。しかし、昭和の "ホームドラマ" では食事のシーンこそが一家団欒の象徴だった。寺内貫太郎一家しかり。時間ですよ。しかり。ムー一族では樹木希林と郷ひろみがお茶碗でご飯のキャッチボールまでしていた。
いつしか日本人は食事中のコミュニケーションが欠かせなくなっていった。倉本聰の脚本では大事な話は必ず食事中だ。

新型コロナウイルス感染症は会食時の感染リスクが一番高いようだ。
日本古来の行儀マナーならばもう少し抑えられていたのかもしれない。
しかし、もはや令和を生きる我々にとっては、食事によるコミュニケーションのない世界はなんとも味気ない。

仲間とわいわいと食事を楽しむ。
最高の時間を早く取り戻したいものである。

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