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簿記実用力(12) 簿記3級に補助簿の学習って必要ですか、コロナショックを救った概況説明書 b012

今日も、再就職の実務に役立つ簿記実用力のある日商簿記3級について書きます。
日商簿記3級で会計ソフトの使用と法人税申告書(別表、勘定科目内訳明細書概況説明書)を考慮した方がWin-Winの関係になるという話を書きました。共通するものとして、売掛金勘定(買掛金勘定)があります。

簿記3級で、主要簿と補助簿の学習があります。主要簿は必ず、補助簿は取引の内容によって様々な帳簿に分けて書いておくというものです。主要簿の仕訳帳と総勘定元帳は仕方ないですが、ここで、補助記入帳や補助元帳、出納が読めない現金出納帳、仕入帳、売上帳、有高がすぐには読めない商品有高帳、売掛金元帳、買掛金元帳、受取手形記入帳、支払手形記入帳と、怒涛の漢字の羅列です。初学者なら、圧倒されて、もう無理!ってなります。
さて、問題です。会計ソフトで必要な入力は、これらの補助簿のうちいくつあるでしょうか。答え:ありません。そもそも主要簿の総勘定元帳も自動作成です。仕訳だけ入力すれば、総勘定元帳で勘定科目が検索できれば自動で作成されます。摘要の書き方を工夫すれば補助簿以上に活用できます。
日商簿記3級で、実用力0補助簿の学習止めませんか
(これは、簿記の様々な歴史や帳簿組織として簿記論の中で勉強することを否定するものではありません。「元丁」「仕丁」「転記のチェックマーク」「合計線」「締切線」等をはじめ、帳簿の作法や歴史に敬意を表します。)

会計ソフトの観点からいうと売掛金(買掛金)元帳への記入より、補助科目の設定の方が重要です。売掛金(買掛金)は得意先(仕入先)毎に補助科目を設定すれば得意先(仕入先)毎の売掛金(買掛金)の残高がわかるので、重宝します。また、以前書いた振込手数料の相手先当方負担による330円残高の問題もすぐに発見できます。ただ、どこまで補助科目とするかという問題があります。すべての得意先(仕入先)を補助科目にした場合、仕訳入力で補助科目を選択する分、遅くなります。また補助科目コードの設定が必要な場合、意味なく連番にするか、補助科目の検索を考え会社名の五十音を入れるのかといった問題があります。さらに間違った補助科目の入力で残高が合わなくなります。以上を考えると補助科目の設定は毎月一定額以上の取引があるような得意先(仕入先)するのがよいと思います。
法人税申告との関連では申告書に添付する勘定科目内訳明細書に「売掛金(買掛金)の内訳書」があります。相手先別期末残高が50万円以上または期末現在高の多額なものから5口程度記入することになっています。これを考慮すると補助科目は期末残高が50万円または多いものから5社を設定しておき、残りはその他として、相手先を摘要に記入することになります。

あと3級学習で必要ないと思ったのが、訂正仕訳です。会計ソフトであれば、間違った仕訳を削除して、新しい仕訳を追加すれば終わりです。なので、訂正仕訳の学習は必要ないと思っていました。ところが、これは間違いでした。学習は必要でした。というのは、会計ソフトでも月次決算で固定し、経理部以外に報告したのであれば、仕訳の削除をすると月次決算の数字が動いてしまい、同じ報告を再現できなくなります。ここで間違った仕訳の逆仕訳+修正後の仕訳をするか、まとめて訂正仕訳をすることになります。訂正仕訳で摘要に「訂正仕訳〇/〇取引」「誤入力〇/〇取引訂正」と記載すれば後で見ても謎の仕訳の理由がわかります。

以前にも書きましたが、月次決算が重要です。特に売上、仕入、外注費、人件費、源泉税は確認しないといけません。これらは法人税申告の際、法人事業概況説明書に記載が必要です。この概況説明書はコロナ感染症対策補助金給付金で、前年同月に比べ売上が半減した前年同月の売上高の証明書として使われました。それまで税務署の税務調査のための入力シートだったものが、コロナショックの会社の窮地を救うこととなり、一躍脚光を浴びました。月次決算で確認できれば実用力アップです。

簿記実用力がアップする内容の簿記3級にできればいいなあと思って書いています。note 17番目の記事です。毎日書いて、読んで頂く方も少しずつ増えて、感謝です。スキも頂いています。モチベーションアップします。ありがとうございます。見出し画像はいかがでしょうか。
2022年11月27日
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