簿記実用力(9) 絶滅危惧種の手形よりレア?通貨代用証券見たことある? 簿記上の現金の謎 b009
今日も、再就職の実務に役立つ簿記実用力のある日商簿記3級について書きます。
簿記3級で比較的最初に習って、一生懸命覚えたのに、実務でほとんど見たことがないものがあります。それは簿記上の現金-通貨代用証券です。
以前b004で書いた電子化された手形(スキャンして画像データを送る、QRコード付き手形が登場)ですが、普通見ませんが、まだ、特定の業界では使われています。
通貨代用証券といえば、他人振出小切手、送金小切手、郵便為替証書(※ゆうちょ銀行の為替)、株主配当金領収証、支払期日の到来した公社債の利札などのことで、現金勘定で仕訳するものです。
現金勘定の学習で、「売掛金の回収として同社振出の小切手を受け取った」という設例で「小切手/売掛金」ではなく、「現金/売掛金」が正解というものです。
ここで、手形は見たことがありますが、小切手は見たことがありません。配当金領収書は証券会社から証券口座や指定銀行口座に振り込まれることが多くなっていると思います。公社債の利札は国債の電子化等で指定口座に源泉税控除後の金額が振り込まれると思います。
小切手は5万円以上で、印紙税が必要になり、小切手帳も値上げされており、国内で使う意味はないような気がします。
今なお、小切手や公社債の利札を使っている法人の方がおられれば、その目的や必要性とともにコメントをお願いします。
※ここでびっくりしたことが「郵便為替証書」はもう存在せず(絶滅種)、「ゆうちょ銀行の為替」というらしい。確かに郵便為替法は平成19年10月郵政民営化に伴い廃止されています。
確か今の簿記のテキストでも「郵便為替証書」って書いてあった気がします。
手形や小切手を使わなくなったら、当座預金はどうなるのでしょう。
決済用預金であればペイオフにも対応できます。
でも簿記3級の学習では当座預金がメインで、普通預金はサブになります。
昭和の「会社設立→当座預金開設→小切手帳・手形帳→チェックライター」の流れなんでしょう。
ちなみに簿記3級でも銀行口座毎に勘定科目が指定されており、設例で「A銀行の普通預金からB銀行の普通預金に振り込んだ」仕訳を学習するようになっています。会計ソフトでは補助科目を使うので、補助科目の説明をしながら、普通預金[A銀行]のように勘定科目と補助科目がわかる形にして表示して頂けると実用力アップかと思います。
簿記3級の学習で、会計ソフトの話は1つもでませんが、会計ソフトの使用を考慮した方がWin-Winの関係になると思います。
補助科目なら、売掛金[B商店]、買掛金[Cメーカー]、借入金[D銀行#0001]、のような形で説明を加えたらいいと思います。
話は最初に戻りますが、簿記3級で、簿記上の現金は必要でしょうか?クレジット払いや電子マネー(交通費以外での利用)、キャッシュレス決済、ポイント払いの仕訳ができた方が実用力が高い気がします。
受験生にとっては迷惑ですが、簿記3級の実用力アップのためにも、実務に基づく出題範囲の改訂は必要だと思います。
簿記実用力がアップする内容の簿記3級にできればいいなあと思って、書いてみました。
実用力で想ったことを書いています。note 14番目の記事です。
よろしくお願い致します。
見出し画像を登録してみました。いかがでしょうか。
2022年11月24日
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