簿記実用力(8) 貸引 金銭債権 法定繰入率 洗替法 b008
今日も、再就職の実務に役立つ簿記実用力のある日商簿記3級について書きます。
日商簿記3級の中で、貸倒損失と貸倒引当金を学習します。
ここで貸倒れる資産を売掛金(受取手形)などとしていますが、売上債権だけでなく、貸付金、未収入金のことにも言及しておいた方が金銭債権を対象にしていることがわかり、3級が大好きな償却債券取立益の間違いもなくなります。貸付金のことを知っていれば実用力アップです。
また、「回収不能になったとき」に貸倒損失を費用処理する説明されていたような気がするのですが、税務で考えると客観的な証拠が必要となるので、「倒産等回収できない客観的な証拠があるとき」とした方がよいと思います。行方不明で連絡がとれなくなり回収ができない=回収不能だと思いますが、多額の貸倒損失を計上した場合、税務署に貸倒れの事実関係が明らかなことを客観的な証拠で説明しないといけない場合があるようです。
> タックスアンサーNo.5320 貸倒損失として処理できる場合
> https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5320.htm
貸倒引当金は見積額の計算で、実積率を乗じていますが、実務(資本金1億円以下の中小企業)は個別評価金銭債権(いわゆる不良債権)と一括評価金銭債権に分け、3年間に発生した貸倒損失金額に基づく実積率の代わりに法定繰入率(小売店であれば10/1000=1%)を適用します。
> タックスアンサーNo.5501 一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の設定]
> https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5501.htm
また、法定繰入率を適用するには期末債権残高から「実質的に債権とみられない金額」を控除して見積額を計算しないといけません。同じ取引先に買掛金や未払金等の債務がある場合、相殺しなければなりません。債権と債務の相殺を説明するのに適していると思います。
自分が経理担当者で、債権のある取引先が倒産しそうなときは、債務(未払のもの)の弁済があれば、一時保留するのも必要かもしれません。
> 実質的に債権とみられないもの (第57条の9)
> https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hojin/sochiho/750214/02/02_57_10.htm
最後に3級で習う差額補充法ですが、貸倒引当金の繰入額は損金経理が必要であり、全額を繰入れ翌期に戻入れる洗替法で行います(明細書に明らかにする方法もあります)
> 貸倒引当金の差額繰入れ等の特例
> https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/11/11_01.htm
以上、会計も重要ですが、再就職では法人税も大切です。簿記3級では簿記実用力がアップする内容にできればいいなあと思います。
実用力で想ったことを書いています。note 13番目の記事です。
よろしくお願い致します。
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2022年11月23日
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