経理に必要な実用力-年末調整の季節到来 d001
今日はこの時期に必要な「経理事務に役立つ、実用的に使いこなす能力」経理実用力について考えてみました。
11月といえば、年末調整(通称、年調)です。会社員をしたことがある人は経験があると思うのですが、紙を2,3枚渡されて、配偶者の収入とか子供は16歳で分けて記入したり、生命保険会社から送られてきた証明書を添付するあれです。
毎月の給与は扶養の情報さえ入力しておけば、給与ソフトで自動計算される源泉所得税ですが、年末調整は確認しながら、正しい欄に正しい値を入力しないといけません。給与ソフトなので、正しく入力しなくてもそれなりの結果が出てしまう所が怖い点です。
しかも、役員を含む源泉徴収をしている社員全員の所得税を計算して、12月の給与で精算しなければいけません(1月の給与で調整は可能ですが、やむを得ない場合以外は避けたいものです)。
さらに社員や役員からいろいろな質問が来て回答しないといけません。問い合わせを減らすために、記入例を作成し、申告書に添付することになります。年調に対象ではない医療費控除や初めての住宅ローン控除、最近ではふるさと納税の質問まできます。生命保険は間違えても所得税額に影響は少ないですが、扶養については控除額が大きいので間違えると大変です。しかし、扶養を確認するのは状況によってはかなりプライベートに踏み込むことになります(それが嫌で年末調整では扶養を出さず、医療費控除等といっしょに確定申告される方もおられるようです)。
経理が給料を知っているのも面白くないのに、さらにプライベートに踏み込まれたら感情的になっても仕方ありません。しかもこの問い合わせは12月の忙しい時に起こります。社員も経理も師走モードで、対立衝突必至です。
ということで、年末調整のやり方を知っていれば経理実用力アップです。
年末で月末の締めが前倒しになり、ボーナスも重なり、ここで実用力が発揮できないとかなり辛いです。1年目は仕方ないと多少許してくれる場合もありますが、「経理は人が増えたからいいね」とか他の部署の人に言われると仕事ができないと途端に風当たりが強くなります。
もし、経理に就職したいと考えているなら、この時期、専門書店や大きな書店に並んでいる年末調整の本をご覧になることをお勧めします。
特殊な例はきりがないので、一般的な場合に給与ソフトに入力できるようになればOKです。
そして意外と神経を使うのが、源泉徴収票の印刷と給与明細への封入です。これを間違えたら、黙っている訳にもいかず、伝えれば怒らない人はいないと思います。
年末調整での注意点はいろいろありますが、扶養申告書を出さない人には(乙欄になるので)源泉税が増え、手取りが減りますというとすぐに出していただけます。証明書が揃わない人は、揃わなかったら1月給与で所得税を計算しなおすことを前提にとりあえず揃う前提で年調します。いろいろ言われたら、可能な範囲で年調し、確定申告して下さいとお願いするのも手です。12月末より前に退職される方は退職日を記入して年調せずに、源泉徴収票を出します(確定申告しないといけませんが、確定申告すれば、多くの場合、納めすぎた所得税の還付が受けられます)。
以上、経理実用力アップのために、一般的な社員の年末調整ができるようになって下さい。
経理事務に就職した際に必要な経理実用力について書いていきます。note 19番目の記事です。毎日書いて、読んで頂く方も少しずつ増えて、感謝です。スキやフォローも頂いています。モチベーションアップします。ありがとうございます。
2022年11月29日
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