01 メインゲストを失ったガパオ。と、その喪失感
これはデート中に起きた珍事件の物語である。
まだ、相方と出会って間もない頃、僕たちは新宿のデパートの地下にあるフードコートに出かけた。
確か、遅めのランチだった。
僕らは、匂いに誘われてタイ料理屋へ入った。
この匂いを嗅いだら、当然アレを食べたくなる。
■ ガパオください!
僕は、迷わずガパオを頼んだ。
鳥の挽肉とパプリカがバジルでナンプラーで炒められて、目玉焼きがのっかているアレだ。
彼女は、グリーンカレーを頼んだ。捨て難い選択。ナイスチョイス。
■ そして、当然のようにシェア。
シンハーかなんかを呑みながら、談笑してたら、料理が運ばれてきた。
まずは、自分の頼んだものをパクパク。満たされる。
料理がくるまでの時間は、本当にお腹が空きますね。
すかざす『そっちも頂戴』と彼女。
『はいはい』交換してパクパク。
そして、また交換。
『ん』
ないのである。まだ序盤にしてガパオに『目玉焼き』が。
唖然である。
世界が数秒止まりました。
■ 本体食べると怒られると思って
彼女曰く『こめと肉を食べたら、怒られると思った』との事。
っていうか、何それ、どんなヤツだよ、キモっ。
そういう奴に見られてたんかーい
■ っていうか、普通目玉焼き食わねぇし
どうやら、彼女は、常識が私とは異なるようです。
親の顔見てみてーわ。
■ 私はマスオ
今や、彼女は人生の相方になり、彼女の実家である青森県で、
波平、フネ、波平の母、たま、たらちゃん、たらの姉と7人で暮らすマスオとなりました。
しかし、
目玉焼きのないガパオなんて、クリープのないコーヒーみたいじゃないか。
最初に混ぜるべきでしたね。
伝説となり、後世に受け継がれています。
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