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生きていくためのコンパスたち

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「人生とは」「生きるとは」 分からないことだらけの命題に少々の光を。
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#スキしてみて

”挫折”を知らない君へ

週末に友人と興味深い議論をしました。 ずばり、”挫折”について。 私は高校では不登校、社会人では休職など大なり小なり”挫折”と呼べる経験をしていて、そのたびに周りの人に「どっこいしょ」と起こしてもらっています。挫折を通じて、自分の弱さや周囲の愛を知り、身のほどを知ることや、背伸びするタイミング、自分のキャパシティなど多くのことを学び得ました。だから、私は挫折が人生を豊かにするのだろうと信じて疑っていません。 一方、件の友人は「挫折をしたことがない」という悩みを持っているそ

心理学用語#36 期待と希望のピグマリオン効果

ピグマリオン効果は、アメリカの教育心理学者ローゼンタールが発表した心理学の用語です。 ローゼンタールの行った実験で、教師が期待をかけた生徒とそうではない生徒の成績には、明らかな違いが見られました。 教師が期待をかけた生徒の方が、学力的な成長が大きいという傾向が表れたのです。 この実験結果から「他者から期待されることによって成長が高まる」という結論が導かれ、この効果をピグマリオン効果あるいはローゼンタール効果と呼ぶようになりました。 ピグマリオンとは、ギリシャ神話に登場

心理学用語#35 優越の錯覚と抑うつリアリズム

多くの人が、自分は平均より優れていると思う傾向があります。例えば、知能や技能、望ましい性格などについて、平均的な人と比べてもらうと、多くの人が自分は平均より上だと錯覚することが心理学研究で示されています。 このような優越の錯覚を持つことによって、人は未来の可能性を信じて目標に向かうことができると考えられています。 一方、抑うつ状態では、自分について現実的なとらえ方をすることが知られています。 気分が沈みがちな状態においては現実的に自分自身をとらえてしまう特徴があり、抑う

何を成すかではなく、どう生きるか

「何を成したか」ではなく、 「どう生きたか」が重要なんだよ。 何か、大昔に観た海外のドラマか映画だと思うんですが(LOSTかな...?)、声優の麦人さんの渋い吹き替えで聴いてからというもの、妙に頭に残っているセリフです。 もし誰か作品名をご存じでしたらご教示ください。 (手がかりが少ないですが...笑) さて、私は無意識に「何者かになりたい」「何かを成し遂げたい」と思っている...んだと自分では思っています。 それは、「何のために生まれてきたのか」という人生を通じた問いへ

「得る」より「失う」の方が、圧倒的に多いのに

何かを得ると「得たこと」にしか気が向かないけれど、実は同時にたくさん失っている。 冒頭いきなり、ネガティブに聞こえるかもしれないけれど、改めて実感してしまった。 しょうもないことで恐縮なのですが、「フォローするかどうかの線引き」についてモヤモヤしています😶‍🌫️素晴らしいnoterさんがたくさんいて、できるなら皆さんフォローしたいと思うタイプなのですが… わたしはフォローしたらちゃんと記事を読みたいし、いいなと思ったらスキやコメントを残したいのです。 そうなるとフォローし

親ガチャ論争に思う

自分の親は選べない、まさにおもちゃのガチャガチャのように当たりハズレがあるものだ、という意味で「親ガチャ」なる言葉が流行っています。 私は普段note以外のSNSをしないもので、流行には疎く、彼女によく怒られております。 そんな私でさえ目に入るということはよっぽど世間を賑わせているのかなと思って、少し調べてみました。 テレビでも取り上げられたり、ヒロミさんや橋下徹さんといった著名人、果てには自民党総裁選候補の岸田さんまで言及しているというから、すごく話題になっているようです

敬老の日

敬老の日。 なので今日はいつもnoteを読んでくれている父方の祖母の話をします。 祖母は、祖父がとても頑固者ですので、特に苦労してきました。 人の言うことを聞かない、最近は心身ともに弱ってきた祖父を、今も支えながらなんとか過ごしているみたいです。 なので祖母は、人の痛みや苦しみをよく理解してくれます。 私が大学に合格した時は泣いて喜び、抑うつ状態になって職場を休職した時には、心から慰めてくれました。 「気がつけずにごめんね」と祖母が泣いて謝ってくれたのは、一生忘れないです

この世に生を受けたこと。それ自体が最大のチャンス。

私たち人間は、受精の確率で言うと3億分の1の確率で生まれてきたことになります。 また、生命が始まって以来40億年で、ここまで絶滅せずに来られた確率は15%だと言います。 こう考えると、私たち一人一人がこの世に生きていることは、奇跡以外の何物でもないように思います。 この世に生を受けたこと。 それ自体が最大のチャンスではないか。 -アイルトン・セナ(F1ドライバー) まさにその通り。 「生きてるだけで丸儲け」と一緒で、人生は「生まれただけでチャンスに溢れて

未来に期待する

抑うつ状態で病んでた頃からは考えられない。 この私が、将来のために色んな情報を集めています。結婚、子育て、お金、キャリア。全て「未来」の象限の話です。 意識的に外部の情報を一切絶っていた1年前とは大違いで、自分でも不思議に感じます。 「人の回復力は、尋常じゃない。」 そう思います。 それもこれも、全ては「期待」から来ていることは明白です。あれだけ仕事や将来に絶望し、もはやこれまでだなんて思っていた自分が、たった1年でここまで来ることができました。 これは全て、支えてくれ

生きる理由は、いくらでもある

9月になりました。 涼しい日も増えてきたように感じます。 セミの鳴き声もいつの間にか鈴虫やコオロギの鳴き声になってたり。 夏はあっという間でしたね。 まさに1年前は怒涛の日々でした。 徐々に仕事に心を殺されはじめ、そのピークが9月。 忘れもしない、14日に初めてメンタルクリニックに駆け込んで、24日から休職を開始しました。 当初は自分の精神状態を客観的に診てもらおう、という気持ちで通院したんですが、「抑うつ状態」と診断されて驚きました。 それがもう1年前。 時の流れを感じま

人生がわかるのは、逆境の時よ。

「逆境」。 迫り来る、乗り越えるべきネガティブな物事を、可能な限りカッコつけた表現。乗り越えられること、立ち向かえることが響きの前提にあるような、力強さを感じる言葉。 人生がわかるのは、逆境の時よ。 Life know is, when the adversity. そう言ったのは、「時代と闘った女」ココ・シャネル。彼女のつくりあげたファッションブランドを知らない人はいないでしょう。ですが、彼女の人生は逆境に満ちていました。 女性の社会進出への挑戦、共同経営者の裏切り、ナ

生きてるだけで「誰かの生きる理由」になる

ほっこりするお話が、Twitterでバズっていました。 いいお話ですね。 『生きてるだけで「誰かの生きる理由」になる』。 これ、理由になっている人の側は案外自覚のないことかもしれません。 子や孫本人たちは、親や祖父母にどれだけ影響を与えているかなんて、分かりませんものね。 家族だけではありません。 友人や恋人、同僚、現代ならではですけどSNSのフォロワーさんとか、いろんな方面につながりができていて、いつのまにか自分がその人の「生きる理由」になっているかもしれないのです。

船荷のない船は不安定

今日は3週間ぶりの通院でした。 この間の出来事を話して、先生にフィードバックをもらう。 いつもの時間でした。 引き続き薬を服用しながら様子を見ることとなりました。 もうすぐ休職してから1年になります。 この1年間本当に色んなことがありましたが、 やはり仕事を半年も休職したことは、一生の中でも大きな出来事ですね。 "船荷のない船は不安定でまっすぐ進まない。 一定量の心配や苦痛、苦労は、 いつも、誰にも、必要である。" -アルトゥル・ショーペンハウアー こんな言葉を見つけま

他力本願でいい気がする

書いた内容や単語をAIが診断して気分の波を可視化してくれる「muute」という日記アプリ。 このアプリによると、最近の私は気分が上向いていて、健やかに過ごせているそうです。 自分の体調くらい自分で把握せえって言われそうですが、 実感としても、休み明けにもかかわらずある程度前向きに過ごせています。 以前の自分、つまり抑うつ状態で休職した時と今の自分とでは何が違うのか。 それは、ズバリ「無理しなくなった」ことです。 以前の自分は多くの仕事を安請け負いして(業務に比して人が足り