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アリアンロッド2E【裁定空想都市】[威圧][放心]等の適用範囲


1. 初めに

 お久しぶりです。今回は表題の通り、どう裁定していいのか曖昧な部分を具体的な例を見ながらゆるく考えていく超閑話休題記事になります。
 そもそも何故この記事を書くに至ったかを少し語ります。
 アリアンロッド2Eは遊びやすさとデータのカスタマイズ性の両立を見事に果たしているゲームであり、初心者から玄人まで遊び倒せるゲームです。しかし、その両立が奇跡的なバランスで成立しているがために、データの裁定が曖昧になってしまっている部分があるのです。もちろん、そのおかげでそのバランスが保たれているのですから、安い犠牲ではあるのですが、やっぱりはっきりしておきたい!という気持ちを持たれる方がいるのも事実でしょう。そんな気持ちを解決するための一助となるべく筆を執った次第です。本当の事を言うと、8割は自分の思考を整理するためなので、そんな高尚な気持ちはほとんどありませんが。

 本題に入る前に、裁定について書くと結構物議をかもす事が予想されるので、前置きしておきます。
 本記事はあくまで筆者がこうかもしれないなと思ったことをゆるりと綴っていくだけのものになりますので、絶対これが正しいなんて事はありません。思考を楽しんだり、困ったときの参考にするぐらいの使い方でお願いします。
 それではどうぞお付き合いください。


2. 今回の議題

特定のタイミングの行動に制限をつける効果の適用範囲

 まずはこの記事の本筋である、特定のタイミングの行動に制限をつける効果とは具体的に何なのかについて話します。
 例えば、タイトルにもなっている[放心]の様な効果になります。
 [放心]はメジャーアクションの判定にダイス1個のペナルティをつけるBS(バッドステータス)です。

 この記事では、似ていますが根底が異なる[縛鎖]の様な効果と併せて話を進めていくため、そちらの紹介もしていきます。
 [縛鎖]は「タイミング:セットアッププロセス」のスキル、パワーを使用できなくするBSです。

 これらの明確な差とは、前者はタイミングそのものを指定しているのに対して、後者はスキルとパワーに制限をつけています。これが後に大きな差となるので、下記の様に分類しておきます。

typeA(適用対象:タイミング自体)

例:

  • BSの[放心]によるメジャーアクションの判定ダイス減少

  • BSの[威圧]によるメジャーアクションの使用不可

typeB(適用対象:特定のタイミングが設定されたスキルやパワー)

例:

  • BSの[縛鎖]による「タイミング:セットアッププロセス」のスキル・パワーの使用不可

  • 《穢れし束縛》による「タイミング:イニシアチブプロセス」のスキルの使用不可

[放心][威圧][縛鎖]P16

アリアンロッド2E パーフェクトスキルガイド

《穢れし束縛》P30

アリアンロッド2E パーフェクトエネミーガイド

3. 具体的なケース

 では、これらの裁定で迷うケースを具体的な例をベースに考えていきましょう。

case1

 まずはtypeA([威圧]等)の効果を考えるケースです。

[威圧]を受けているキャラクターが

  1. イニシアチブプロセスで《クイックヒール》を宣言し、《ヒール》の使用を試みた。

  2. セットアッププロセスで《セイントブレッシング》を宣言し、《ブレッシング》の使用を試みた。

  3. 《アベンジ》を成功させ、《ファイアボルト》の使用を試みた。

  4. イニシアチブプロセスで《スピードリーディング》を宣言し、「治療符」の使用を試みた。

《クイックヒール》P75      《ヒール》P76
《セイントブレッシング》P153 《ブレッシング》P76
《アベンジ》P156       《ファイアボルト》P80
《スピードリーディング》P290 「治療符」P308

アリアンロッド2E パーフェクトスキルガイド

 この時、《ヒール》《ブレッシング》《ファイアボルト》「治療符」は使用できるでしょうか。
※[放心]で考えるなら、それぞれの判定に-1Dが適用されるかどうか。

 上記の1~4はすべて「タイミング:メジャーアクション」のスキル、アイテムを別のタイミングに置換して使用するという面で共通しています。
 感覚的にはいつも[威圧]を解除してからしか使用できない《ヒール》は使用できない([放心]の場合は-1Dの影響を受ける)気もします。しかし、文章をそのまま読めば、《ヒール》は「タイミング:メジャーアクション」であるだけで、イニシアチブプロセスで使用可能する《クイックヒール》ではメジャーアクション自体は行っていないように思えます。《クイックヒール》の効果テキストにも「《ヒール》をイニシアチブプロセスで使用可能となる。」と記載がされているの後押しになるでしょう。

 ではもう一つ例を見てみましょう。

5.[放心]を受けているキャラクターがメジャーアクションで《ダブルキャスト》を宣言し、《ファイアボルト》の使用を試みた。

《ダブルキャスト》P161

アリアンロッド2E パーフェクトスキルガイド

 この時の《ファイアボルト》は-1Dの影響を受けるでしょうか。
 直感的には受けると考えるのが多数派だと思います。
 また、先程の考え方と照らし合わせても元々がメジャーアクションの《ダブルキャスト》から派生しているだけなので、タイミングの置換は発生していません。

 さて、最後にややこしい例外パターンを紹介します。

6.[威圧]を受けているキャラクターが《シャドウハイド》を成功させ、武器攻撃を試みた。

《シャドウハイド》P165

アリアンロッド2E パーフェクトスキルガイド

 この時に武器攻撃は行えるでしょうか。
 タイミングはメインプロセス内のメジャーアクションから派生したものでははないですが、発生しているのはメジャーアクションです。
 直感的にも先程の議論的にも武器攻撃は行えなさそうです。


case2

 続いてtypeB([縛鎖]等)の効果について考えていきましょう。
 case1と比較しながら進めたいので、かなり当たり前の事を書いていきます。

[縛鎖]を受けているキャラクターが

  1. セットアッププロセスで《ヘイスト》の使用を試みた。

  2. セットアッププロセスで「召喚具:クリサオル」の効果使用を試みた。

  3. フリーアクションで《グレートコネクト》を宣言し、《コネクトフォース》の使用を試みた。

《ヘイスト》P76       「召喚具:クリサオル」P393
《グレートコネクト》P331 《コネクトフォース》P329

アリアンロッド2E パーフェクトスキルガイド

 この時、《ヘイスト》「召喚具:クリサオル」《コネクトフォース》は使用できるでしょうか。
 
 当たり前ですが、「タイミング:セットアッププロセス」の《ヘイスト》は使えるはずもないでしょう。また、スキルでもパワーでもない「召喚具:クリサオル」が使用可能である事も議論の余地はないと言えます。
 では、《コネクトフォース》はどうでしょうか。本来は「タイミング:セットアッププロセス」のスキルですが、使用タイミングはフリーアクションに置換されています。
 仮に[縛鎖]がセットアッププロセスというタイミング自体を制限する効果であれば、すり抜ける事は出来そうです。
 しかし、実際は「タイミング:セットアッププロセス」のスキル・パワーを制限する効果です。《グレートコネクト》でタイミングを置換したとしても、《コネクトフォース》が「タイミング:セットアッププロセス」のスキルである事実は変わりません。こちらに関しては議論の余地なく使用不可と考えるのが妥当なのではないでしょうか。

4. 結論というか筆者の落としどころ

 2つのcaseにおいて展開された議題から考える筆者の落としどころは、typeA([威圧]等)の様な効果の処理として下記のようにすると良いのではないかと考えました。
「タイミング置換が発生する場合は、派生元のタイミングによって効果の適用有無を決定する」
 つまりは、case1の1~4を使用可とする裁定です。
適用対象例:《ダブルキャスト》→《ファイアボルト》
適用対象外例:《クイックヒール》→《ヒール》

 前者はタイミング自体、後者はスキル・パワーに設定されている本来のタイミングといったように、[威圧]や[放心]と[縛鎖]の記載には明確な差があります。そのため、typeAをtypeB([縛鎖]等)と同じ様に、スキル等に本来設定されているタイミングによって適用有無を変えるのは違和感があります。
 もし、これらを同様に扱うのであれば、[縛鎖]のテキストは「[縛鎖]を受けているキャラクターはセットアッププロセスでスキル・パワーを使用出来ない。」となっていたと考えられます。
 よってこのような落としどころとなりました。

※本当に余談ですが、[威圧]や[放心]を通常通りメジャーアクション自体への影響に加えて、「タイミング:メジャーアクション」のスキル・アイテム・パワー全般への影響もついてくるとなると、余りにも効果範囲が広すぎるので、BSのバランスを取るためにもちょうどいいのかなと思いました。


5. 最後に

 以上、横道だけで作り上げられた記事でした。
 最初にも申し上げた通り、あくまで筆者の個人的に使っている落としどころを紹介しているだけの記事になります。探せば粗はいくらでもあると思うので、優しくしてやって下さい。押し付けるつもりは一切ありません。
 普段書いている記事の4割ぐらいの文字数で済んだので、発案から投稿まで非常に短い期間で進める事が出来ました。これぐらいなら良いスパンで記事を出していけそうですが、もうちょっと有益に記事を書きたくもあるので、次回予定はまた未定という事でお願いいたします。
 では、ただでさえ余談で出来た記事にこれ以上余談をつけるのもどうかと思うのでここで筆を置きます。
 ここまで駄文を読んでいただきありがとうございました。
2024/1/22

表紙のイラスト:Niji・journey

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